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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2021年第51号

第24巻第51号[宮崎県51週(12/20〜12/26) 全国第50週(12/13〜12/19)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第51週の発生動向

全数報告の感染症(51週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核4例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:つつが虫病2例、レジオネラ症2例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒4例。


全数把握対象疾患累積報告数(2021年第1週〜第51週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は640人(定点当たり18.9)で、前週比100%と横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱で、減少した主な疾患は水痘と手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】

報告数は135人(3.8)で、前週比84%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.7)の約1.4倍であった。日南(41.0)、中央(1.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から3歳が全体の約4割を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は317人(8.8)で、前週比107%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(12.4)の約0.7倍であった。小林(22.7)、都城、高千穂(12.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から5歳が全体の約7割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和4年1月3日までに検出)

細菌

○水様性下痢、血便、腹痛等を呈した10代男性から、Salmonella Typhimurium 及び腸管出血性大腸菌(EHEC)が検出された。サルモネラ感染症は年間を通して発生が見られ、EHEC感染症は通常夏季の発生が多いが、冬季にも散発していることから年間を通して注意が必要である。

ウイルス

○乳幼児3名からコクサッキーウイルスA6型が検出された。手足口病は、手、足、および口腔粘膜などに現れる水疱性の発疹を主症状とする感染症で、乳幼児を中心に夏季に流行しやすく、宮崎県でも8月中旬より流行している。一般的には数日の内に治癒する予後良好の疾患であるが、ごくまれに小脳失調症、髄膜炎、脳炎などの中枢神経系の合併症を起こすことがあり注意が必要である。感染経路は主として糞口感染を含む接触感染と飛沫感染であり、手指の消毒の励行と排泄物の適正な処理などが感染予防対策となる。コクサッキーウイルスA6型による手足口病では、従来の典型的な手足口病と発疹の出現部位が異なり、水疱は扁平で臍窩を認め、これまでより大きいことや、手足口病発症後、数週間後に爪脱落が起こる症例(爪甲脱落症)が報告されている。

全国2021年第50週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比108%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症と水痘で、減少した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナであった。

感染性胃腸炎の報告数は23,396人(7.4)で前週比112%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(9.3)の約0.8倍であった。佐賀県(13.1)、奈良県(12.2)、兵庫県(12.0)からの報告が多く、年齢群別では1歳から4歳が全体の約6割を占めた。

手足口病の報告数は3,162人(1.0)で前週比88%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.55)の約1.8倍であった。鹿児島県(5.5)、島根県(5.0)、鳥取県(4.5)からの報告が多く、年齢群別では1歳から3歳が全体の約8割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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