所長挨拶 研究所の紹介 発表・調査研究 情報・ニュース 宮崎県感染症情報センター 見学と研修のお申し込み リンク集 お問い合わせ

宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第15号

第25巻第15号 [宮崎県第15週 (4/10〜4/16) 全国第14週(4/3〜4/9)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第15週の発生動向

トピックス
  • 梅毒(全数報告の感染症)の報告数が昨年と比べて多くなっている。診断週による累積報告数は48例と、1999年以降最も多くなった前年(116例)の第15週時点(22例)を超える報告数となった。
    性別は男性が27例、女性が21例で、年齢群別では、20歳代から30歳代が全体の約6割を占めている。また、保健所別では宮崎市保健所管内からの報告が最も多く、36例となっている。
  • 新型コロナウイルス感染症(新型インフルエンザ等感染症)の報告が244例あり、先週(309例)の約0.8倍であった。2023年の累積報告数は56,136例となった。※詳細は宮崎県新型コロナウイルス感染症特設サイトを御覧ください。
全数報告の感染症(15週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:梅毒4例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年第1週〜第15週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は621人(定点当たり16.8)で、前週比123%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は特になかった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【感染性胃腸炎】

報告数は372人(10.3)で、前週比127%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(6.5)の約1.6倍であった。日南(23.3)、小林(18.0)、都城(17.2)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から5歳が全体の約6割を占めた。

【ヘルパンギーナ】

報告数は35人(0.97)で、前週比219%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.23)の約4.2倍であった。宮崎市(2.30)、延岡(1.75)、高鍋(0.75)、日南(0.67)保健所からの報告で、年齢群別は1歳から3歳が全体の約8割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年4月17日までに検出)

細菌

○海外渡航歴のある0〜4歳の男児からS.Schleissheim(O4:b:-)が分離された。サルモネラ属菌によって起こるサルモネラ症の主な症状は腹痛、下痢、発熱であり、下痢は水様性から血便や粘血便を呈することもある。S.Schleissheimは、2005年11月に長崎市でミドリガメが感染源と考えられる小児サルモネラ感染症事例が報告されている(IASR Vol.27(2006.3))。厚生労働省が平成25年8月12日付けで「カメ等のハ虫類を原因とするサルモネラ症に係る注意喚起について」という通知を出しているので、参照されたい。

ウイルス

○発熱等の症状を呈する16名からインフルエンザウイルス感染症が分離・検出された。今シーズン、当所では、Influenza virus AH3のみが分離・検出されてきたが、今回、Influenza virus B(Victoria lineage)が2件分離された。

全国2023年第14週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比88%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症と水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。

インフルエンザの報告数は13,580人(2.8)で前週比68%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.83)の約3.4倍であった、新潟県(14.1)、山形県(11.1)、青森県(7.0)からの報告が多く、年齢群別では10歳未満が全体の約6割を占めた。

RSウイルス感染症の報告数は1,662人(0.53)で前週比110%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.39)の約1.4倍であった。鹿児島県(2.4)、福井県(1.7)、佐賀県、北海道(1.6)からの報告が多く、年齢群別では3歳以下が全体の約9割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2023年3月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は41人(3.2)で、前月比152%と増加した。また、昨年3月(3.2)と同程度であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数24人(1.9)で、前月の約1.6倍、昨年3月の約0.8倍であった。
    20歳代が全体の半数を占めた。(男性3人・女性21人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数8人(0.62)で、前月の約1.1倍、昨年3月の2.0倍であった。(男性1人・女性7人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数5人(0.38)で、前月及び昨年3月の5.0倍であった。(男性2人・女性3人)
  • 淋菌感染症:報告数4人(0.31)で、前月と同率、昨年3月の約0.7倍であった。(男性3人・女性1人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,855人(5.0)で、前月比115%と増加した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,603人(2.7)で前月比110%、性器ヘルペスウイルス感染症818人(0.84)で前月比124%、尖圭コンジローマ577人(0.59)で前月比109%、淋菌感染症857人(0.88)で前月比126%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は17人(2.4)で、前月比71%と減少した。また、昨年3月(2.7)の約0.9倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数17人(2.4)で、前月の約0.7倍、昨年3月の約0.9倍であった。70歳以上が全体の約6割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,276人(2.7)で、前月比100%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,207人(2.6)で前月比101%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症61人(0.13)で前月比87%、薬剤耐性緑膿菌感染症8人(0.02)で前月比100%であった。

PDFファイルダウンロード


宮崎県衛生環境研究所
〒889-2155 宮崎市学園木花台西2丁目3-2 / 電話.0985-58-1410 FAX.0985-58-0930