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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第19号

第25巻第19号 [宮崎県第19週 (5/8〜5/14) 全国第18週(5/1〜5/7)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第19週の発生動向

トピックス
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(全数報告の感染症)の報告が高鍋、日向保健所管内からあった。患者は80歳代と70歳代の女性で、いずれもダニの刺し口があった。県内での報告は、累計102例となった。

全数報告の感染症(19週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核4例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群2例。
  • 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、梅毒5例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年第1週〜第19週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は742人(定点当たり17.9)で、前週(祝祭日の休診含む)比111%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、咽頭結膜熱及び感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症、手足口病及びヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は120人(2.1)で、前週(定点医療機関からの第18週の報告数をもとに算出した参考値)比245%と増加した。小林(4.5)、高鍋(3.5)、高千穂(2.5)、中央(2.5)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約半数を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は277人(7.7)で、前週比127%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(5.7)の約1.3倍であった。小林(21.3)、都城(10.5)、中央(9.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から4歳が全体の約半数を占めた。

【ヘルパンギーナ】

報告数は78人(2.2)で、前週比89%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.45)の約4.8倍であった。宮崎市(3.6)、延岡(3.5)、高鍋(2.0)、中央(2.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は6ヵ月から4歳が全体の約9割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

オミクロン株のBA.5系統が減少傾向で、XBB.1.9.1が増加傾向にあります。また、その他のX系統も含むXBB系統は第19週で73%を占めています。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられます。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株です。
ゲノム解析は概ね前週(第19週は17・18週)の検体を用いて実施しています。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなります。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施しています。

全国2023年第18週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比76%と減少した(祝祭日の休診含む)。なお、前週と比較して増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び水痘であった。

RSウイルス感染症の報告数は3,087人(0.99)で前週比92%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.36)の約2.8倍であった。和歌山県(5.0)、大阪府(3.1)、福井県(2.9)からの報告が多く、年齢群別では3歳以下が全体の約9割を占めた。

ヘルパンギーナの報告数は886人(0.28)で前週比85%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.04)の約7.4倍であった、宮崎県(2.4)、長崎県(2.1)、佐賀県(2.1)からの報告が多く、年齢群別では1歳から4歳が全体の約8割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2023年4月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は41人(3.2)で、前月比100%と横ばいであった。また、昨年4月(2.2)の約1.4倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数21人(1.6)で、前月及び昨年4月の約0.9倍であった。
    20歳代が全体の約6割を占めた。(男性5人・女性16人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数11人(0.85)で、前月の約1.4倍、昨年4月の5.5倍であった。(男性2人・女性9人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数2人(0.15)で、前月の約0.4倍であった。(女性2人、昨年報告なし)
  • 淋菌感染症:報告数7人(0.54)で、前月及び昨年4月の約1.8倍であった。(男性6人・女性1人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,605人(4.7)で、前月比95%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,512人(2.6)で前月比97%、性器ヘルペスウイルス感染症758人(0.78)で前月比93%、尖圭コンジローマ562人(0.58)で前月比98%、淋菌感染症773人(0.79)で前月比90%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は16人(2.3)で、前月比94%と減少した。また、昨年4月(3.1)の約0.7倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数16人(2.3)で、前月の約0.9倍、昨年4月の約0.7倍であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,073人(2.3)で、前月比84%と減少した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,012人(2.1)で前月比84%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症57人(0.12)で前月比92%、薬剤耐性緑膿菌感染症4人(0.01)で前月比50%であった。

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