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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第26号

第25巻第26号 [宮崎県第26週 (6/26〜7/2) 全国第25週(6/19〜6/25)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第26週の発生動向

トピックス
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
    (全数報告の感染症)の報告が宮崎市保健所管内からあった。患者は60歳代の女性で、ダニの刺し口は確認できなかった。また、6月中旬に発症し、6月下旬に死亡した。県内での報告は、累計107例となった。

  • インフルエンザ(定点把握対象の疾患)
    中央保健所管内の定点当たりの報告数(59.0)が、先週(10.0)と比較して5.9倍と増加した。流行警報レベル開始基準値(30)を大きく上回っており、今後の動向に注意が必要である。宮崎県全体では7.3(前週6.8)となっている。詳細後述。
全数報告の感染症(26週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群1例。
  • 5類感染症:侵襲性インフルエンザ菌感染症1例、梅毒10例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年第1週〜第26週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は1,714人(定点当たり37.2)で、前週比96%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症で、減少した主な疾患は咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及びヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は560人(9.7)で、前週比134%と増加した。延岡(17.4)、高千穂(13.0)、高鍋(12.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は426人(7.3)で、前週比108%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.09)の約84.1倍であった。中央(59.0)、都城(12.0)、宮崎市(7.9)保健所からの報告が多く、年齢群別は5歳から9歳が全体の約4割を占めた。

【ヘルパンギーナ】

報告数は212人(5.9)で、前週比77%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.51)の約11.5倍であった。小林(12.7)、延岡(10.5)、日向(6.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から3歳が全体の約6割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年7月3日までに検出)

細菌

ウイルス

○髄膜炎の症状を呈する患者2名から、ヒトヘルペスウイルス6型、コクサッキーウイルスB5型が検出、分離された。小児にウイルス性髄膜炎を起こす原因ウイルスは、エンテロウイルスが80%以上を占め、次いでムンプスウイルス、ヘルペス属ウイルス、アルボウイルスなどが挙げられる。エンテロウイルスの流行には、季節性があり、初夏から秋にかけて増加するため、今後の発生動向に注視する必要がある。

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

BB系統は第26週で約95%を占め、特にXBB.1.9系統が40%を占めた。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

全国2023年第25週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比106%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は手足口病、伝染性紅斑及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は感染性胃腸炎であった。

新型コロナウイルス感染症の報告数は30,255人(6.1)で前週比109%と増加した。沖縄県(39.5)、鹿児島県(11.7)、熊本県(8.8)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満が全体の約3割を占めた。

ヘルパンギーナの報告数は18,176人(5.8)で前週比129%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.46)の約12.7倍であった。宮城県(14.0)、鹿児島県(12.3)、静岡県(10.1)からの報告が多く、年齢群別では1歳から5歳が全体の約8割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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