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情報・ニュース

宮崎県温泉の泉質について(1)

当所では県内の温泉分析を行っています。今までの分析データを集計・解析し、泉質の特徴と地域別泉質傾向等を調べた結果、いろいろなことが明らかになりました。

  1. 最も多いのは単純温泉
    本県の温泉を泉質別に大別すると、最も多いのは単純温泉です。単純温泉は含有成分の合計量が少ないものの、伝統的に様々な効能が認められています。次に多いのはナトリウム-炭酸水素塩泉で、皮膚表面の洗浄効果等多くの効能を有しています。3番目は塩化物泉です。塩化物泉は保温効果に優れている他多くの効能が認められています。本県では、これら3つの泉質で全体の70%以上を占めています。全国的にみても、前述した3つの泉質が多くの割合を占めていますが、本県の場合、ナトリウム-炭酸水素塩泉の割合が高い傾向にあります。これは、内陸部の検体が相対的に多いことに由来しているものと考えられます。

  2. 特殊成分としてイオウ、鉄及び二酸化炭素の割合が高い
    特殊成分は、血行促進や貧血改善等それぞれ特徴的な効能を有しています。本県の温泉に高濃度含まれる特殊成分としては、イオウ、鉄及び二酸化炭素の割合が高いことがわかりました。

    泉質別分類

    泉質別分類

  3. 塩化物泉は宮崎市・児湯地域と南那珂方面に多くみられる
    塩化物泉は宮崎市・児湯地域と南那珂方面に多くみられます。塩化物泉は一般的に海岸温泉型と化石海水型に大別されますが、本県の場合地域的な分布を考慮すると、この両方が存在するものと考えられます。単純温泉は県内各地域に広く分布していますが、京町地域は特にこの割合が高くなっています。炭酸水素塩泉も各地域に広く分布していますが、京町・霧島山麓部や宮崎地域に特に多くみられます。これらは主に火山関連のものと、地下の岩石(鉱物)起源のものと考えられます。硫酸塩泉の分布はえびの高原地域に集中していますが、これは火山由来のものと考えられます。

    泉質別分類(地域別)

    泉質別分類(地域別)

宮崎県衛生環境研究所
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