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日本紅斑熱ってどんな病気

日本紅斑熱は1984年に徳島県で初めて確認された新しい病気で、高熱・発疹・刺し口(さしぐち)の3つの症状が特徴です。これらの症状は宮崎県内で多発している恙虫病(つつがむし病)によく似ています。また、重症化して死亡した例も報告されています。

  1. 高熱
    39〜40度以上の発熱で、頭痛や悪寒を伴い重症感があります。
  2. 発疹
    高熱とともに、米粒大から小豆大の紅い斑点が全身にでますが、かゆみや痛みの無いのが特徴です。(図1)
  3. 刺口
    マダニ類に刺された部分が直径5〜10mm程度に赤く腫れ、中心部に黒いカサブタや潰瘍のようなものが見られます。
    このような形は典型的なもので、刺し口は病気になってからの日数によって変化します。(図2)

※恙虫病もこれらの3つの症状が特徴で、症状から日本紅斑熱と恙虫病を見分けることは難しいようです。


日本紅斑熱の宮崎県内における発生状況

  • 宮崎県では、例年数名の患者が発生しています(図3)。
  • 宮崎県では、4月から12月にかけて患者が発生しています。春と夏に患者数の多い傾向があります(図4)。
  • 宮崎県では、主として中南部で患者が発生しています。特に宮崎市、高岡町、日南市に患者数の多い傾向があります(図5)。

※本県の中南部は恙虫病の発生地でもあり、発生地から日本紅斑熱か恙虫病かを推定することはできません。また、県内における恙虫病の発生時期は11月をピークに9月の末から3月初旬までで、発生時期については、両疾患に違いがあります(図4,5)。


日本紅斑熱を媒介するマダニ類

  • 日本紅斑熱の患者は、リケッチア ジャポニカ(Rickettsia japonica)と呼ばれる病原体を持ったマダニ類に吸血されることによって、発生します。
  • 今までのところ、キチマダニ、ヤマアラシチマダニ、フタトゲチマダニ、タイワンカクマダニが病原体を保有することが確認されており、それぞれ日本紅斑熱を媒介すると考えられています(図6)。これらのマダニ類は県内にも分布しており、県内のヤマアラシチマダニ、フタトゲチマダニから病原体の遺伝子も検出されています(今のところ、病原体そのものは検出できていません)。
  • マダニ類は卵→幼虫→若虫→成虫と形態を変えながら成長していきます(図7)。マダニ類は、卵を介して病原体のリケッチア ジャポニカを親から子に引き継いでいます。また、マダニ類は幼虫、若虫、成虫の各時期に哺乳動物にとりついて吸血します。このため、病原体を持っていれば、どの時期のマダニ類に吸血されても、日本紅斑熱に感染する可能性があります。

※恙虫病を媒介するツツガムシは幼虫(0.2mm程度)の時期にだけ哺乳動物にとりつきます。宮崎県内で恙虫病を媒介しているツツガムシはタテツツガムシとフトゲツツガムシです。これらの幼虫は11月をピークとして10月から3月にかけて発生し、この時期に恙虫病患者も発生しています。

感染機会と予防

  • 山林、草地、河川敷などの病原体を保有するダニの生息地に入り、吸血されると日本紅斑熱に感染します。県内では、田畑での農作業、山菜採りや川釣りなどのレジャー、椎茸やミカンの手入れなどの山間部での作業などが主な感染機会となっています。
  • 山野に立ち入る際には、白系の服装の方がダニが付いた場合に気づきやすく適しています。長袖の服や長靴などを着用して肌の露出を少なくしましょう。また、むやみに座り込んだり、寝ころんだりするのも避けましょう。立ち入る前の虫除け剤の噴霧も有効です。
  • 時々服などをはたいて、ダニを落とすこともいいでしょう。
  • 帰宅後は、シャワーや入浴により体に付着したダニを早めに落としましょう。
  • 吸血しているダニを見つけた場合、除去しようとしてダニをつまむと、その圧力で逆に病原体を体内に注入してしまうことがあります。ダニの口の部分をピンセットで挟んでとり除くこともできますが、医療機関(皮膚科など)で除去してもらうほうが無難でしょう。

早期発見、早期治療

  • 山林ややぶなどのダニ棲息地に立ち入り、2〜10日後に、倦怠感、頭痛、発熱などの症状(風邪と間違われることもある)や前述の症状がでた際には、ただちに医療機関(皮膚科や内科)を受診してください。「いつごろ、どこそこの山野に入った-」という情報も、診断にたいへん役立ちます。
  • 日本紅斑熱に対する効果的な薬(抗生物質)があるので、早期発見と早期治療が最も重要です。

※衛生環境研究所では、医療機関からの依頼により、日本紅斑熱や恙虫病の確認検査も行っています。


宮崎県衛生環境研究所
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