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平成30年度麻疹(はしか)の流行予測

平成30年度 麻疹抗体保有状況調査 −宮崎県−

調査目的

厚生労働省では、今後の流行の推定と予防接種計画等の資料とすることを目的に感染症流行予測調査を実施している。本県ではその一環として、麻疹に対する抗体保有状況を調査した。

調査時期

2018年7月2日〜8月31日

調査対象

9年齢群250名(0〜1歳:26名、2〜3歳:24名、4〜9歳:25名、10〜14歳:25名、15〜19歳:24名、20〜24歳:25名、25〜29歳:17名、30〜39歳:25名、40歳以上:59名)から同意を得て収集した血清を対象とした。

調査内容

県立宮崎病院小児科を受診した小児と宮崎県健康づくり協会の健診を受けた方から同意を得て採取された血清について、麻疹ウイルス抗体価測定キット(セロディア−麻疹:富士レビオ)を用いて麻疹PA抗体価を測定した。

調査結果および考察

調査の結果を、国の感染症流行予測調査報告書に準じてPA抗体価16倍、64倍、128倍、256倍以上に区分し、図1に示した。16倍以上は抗体陽性と判定されるが、国立感染症研究所によると発症予防のためには少なくとも128倍以上、できれば256倍以上の抗体価が求められている。

  1. 年齢別抗体保有状況
    抗体陽性とされる16倍以上の抗体保有率は、0〜1歳群で76.9%、15〜19歳群で91.7%にとどまるが、その他の年齢群で95%以上であり、特に2〜9歳の各年齢群及び25〜29歳群では100%であった。0〜1歳群については、調査対象の26名中14名が1歳未満であり定期予防接種の年齢に達していなかった。
    発症予防のために必要とされる128倍以上の抗体保有率は、0〜1歳群で65.4%、15〜19歳群で62.5%、10〜14歳群で88.0%にとどまるが、2〜9歳群及び20歳以上のすべての年齢群で90%以上であり、特に25〜29歳群では100%であった。(図1)
  2. 年齢別抗体(128倍以上)保有状況の年度別比較
    2018年の128倍以上の抗体保有率を2017年と比較すると、0〜1歳群では約27ポイント上昇したものの、15〜19歳群では約30ポイント低下していた。その他の年齢群では大きな変化はみられなかった。(図2)
今後の流行予測

今年は山形県や沖縄県で海外渡航者や外国人旅行者を発端とした麻疹の流行がみられた。日本は2015年3月にWHOより麻疹の排除状態にあることが認定されたものの、海外では依然として麻疹の流行がみられることから今後も、麻疹ウイルスの輸入は避けられないと思われる。国立感染症研究所によると麻疹排除状態を維持し、麻疹ウイルスが輸入されても流行をさせないためには、2回のワクチン接種(1歳児及び小学校入学前1年間の者)をすること、かつワクチン接種率95%以上を維持することが重要とされている。2017年の宮崎県のワクチン接種率は、第1期が96.5%であり、第2期が95.0%とどちらも95%を上回っていた。今後も95%以上のワクチン接種率を維持することが重要である。また、海外渡航予定者及び医療関係者のうち接種歴・罹患歴不明者もワクチン接種を積極的に行うことが推奨される。


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