
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査
コロナウイルスとは
コロナウイルスには、風邪の原因となる4種類と重い肺炎を起こす2種類(重症急性呼吸器症候群SARS、中東呼吸器症候群MERS)が知られています。主な症状として発熱、倦怠感などが比較的多く、下痢などを伴う例もあります。
コロナウイルスの構造
コロナウイルスは直径100nmの球形ウイルスです。表面には突起があり、その形が王冠(crown)に似ていることからギリシャ語で王冠を意味する(corona)という名前が付けられています。
表面は、脂質の二重膜で覆われていて、その中にNucleocapsid (N)蛋白に巻き付いたプラス鎖の一本鎖RNAゲノム(いわゆる遺伝子)があります。
表面にはSpike(S)蛋白、Envelope (E)蛋白、Membrane(M)蛋白が配置されています。遺伝子情報を持つゲノムの大きさはRNAウイルスの中では最大サイズの30kbです。ちなみにインフルエンザウイルスのゲノムは10kb程度です。
【参考】国立感染症研究所−コロナウイルスとは
PCRとは
PCRとはPolymerase Chain Reaction(ポリメラ−ゼ連鎖反応)の略で、DNAの複製を人工的に繰り返すことで目的とするDNAを増やす技術をいいます。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査方法
全国の地方衛生研究所では、国から示された検査方法に基づき、新型コロナウイルスの感染が疑われるヒトの検体(鼻咽頭ぬぐい液や唾液等)から遺伝子を抽出しPCR法を用いて、新型コロナウイルスかどうかの検査を行います。
当研究所では、主にこの技術を用いた検査装置であるリアルタイムPCR装置による新型 コロナウイルスの遺伝子検査を行います。