― 就任から、2カ月が経過しました。
「宮崎をどげんかせんといかん」、「宮崎は生まれ変わらんといかん」という思いで知事に就任いたしまして、全力で職務に励んでいるところですが、あっという間の2カ月という感じですね。
県民の皆さまから負託された職責に、改めて身の引き締まる思いです。職員と一丸となって、一刻も早い宮崎県政の再生を果たしていかなければならないと、決意を新たにしているところです。
― 鳥インフルエンザ対策では、知事自ら現場に駆けつけられ、風評被害対策のため県内外を飛び回られました。
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KONNE(こんね)でのPR |
県内3カ所で発生するという非常事態の中、迅速に、防疫対策を実施し、終息を迎えることができました。このことは、畜産農家の皆さまや関係団体の皆さまをはじめ、県民総力を挙げて防疫対策に取り組んでいただいた結果であり、全国に誇れる「宮崎モデル」といっても過言ではないと思っています。
特に、公益の精神を持って早期に通報していただいた発生農場の経営者や獣医師の皆さまには、心から感謝しております。
先の2月議会で当面必要な予算を措置したところですが、養鶏農場の経営安定に向けて引き続き支援をしていきたいと考えています。さらに、私自らは、「宮崎のセールスマン」としてPRに努め、鳥インフルエンザの風評被害防止も含めて、みやざき地頭鶏をはじめとする農林水産物の「みやざきブランド」向上に、全力で取り組んでいきたいと考えています。
― 県政の信頼回復は急務です。
昨年の県発注工事に関する一連の不祥事は、県民の皆さまの県政に対する信頼を失墜させたばかりでなく、県の名誉と県民の皆さまの誇りを大きく傷つけました。失われた信頼を取り戻す道のりは、大変厳しいものがあると思いますが、まず着手すべき県政改革として、「入札・契約制度改革」に取り組むため、3月末に、その実施方針を策定したところです。
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職員の法令遵守意識を徹底させるとともに、不正を許さないシステムを構築する。 |
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公正、透明で競争性の高い入札・契約制度への改革を進める。 |
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入札・契約制度およびその適正な運用について十分な検証とチェックを行う体制を整備する。 |
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― 行財政改革も大きな課題となっています。
地方財政を取り巻く環境は大変厳しく、「あれもこれも」から「あれかこれか」へ政策の選択を行わざるを得ない時代を迎えています。そのため、3月末に新たな財政改革推進計画を定めたところです。
具体的には、真に必要な事業に財源を振り分け、大胆な歳出削減に取り組むほか、私自身の給与削減を含めた職員給与の適正化に取り組むことで、人件費の削減に努めます。
これらの取り組みによって、私の任期中のできるだけ早い時期に、単年度で、350億円の歳出削減による財源捻出と事業見直しを目標とする財政改革を進めていきます。
― どのような施策に最優先で取り組まれますか。
産業を興し、歳入増を図ることが何よりも重要であると考えています。産業の振興は、地域に活力をもたらし、県民の願いである働く場の確保につながるものですから。
そこで、まず、本県の基幹産業である農林水産業について、「みやざきブランド」向上のためのプロモーション活動の強化や、意欲ある生産者の支援に一層取り組んでいきます。
観光については、スポーツランドの取り組みをさらに推進するとともに、「日本発祥の地」を国内外に広くPRしていきます。併せて、宮崎の「神話・伝統・歴史」などの地域資源を生かし、訪れた観光客を温かくもてなすことのできる「おもてなし日本一の宮崎」づくり、県民主体の観光地づくりに取り組んでいきたいと考えています。
商工業については、産学官連携による新技術、新商品の研究開発や県産品の販路拡大への取り組みを強化していきたいと考えています。
県内企業の自動車関連産業への参入促進や、4年間での新規立地企業100社を目標として企業誘致にも力を注いでいきます。
産業を支える陸・海・空の総合交通網の整備も大変重要です。特に、高速道路は、企業誘致などへの貢献が期待できることから、東九州自動車道をはじめ県内高速交通網の整備促進に全力を挙げて取り組んでいきたいと考えています。
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宮崎牛贈呈 |
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産学官連携による研究開発 |
― 明日を担う子どもたちの教育や医療・福祉の充実についてはいかがですか。
人づくりは本県発展の鍵であり、子どもたちは明日の宮崎の希望です。
私は、学校教育の充実を図ることはもちろん、「すべての大人は、すべての子どもの教師たれ」の理念の下、地域ぐるみの教育環境の充実を図ることで、知育・徳育・体育のバランスのとれた、世界に通用する人材の育成に努めていきます。
また、地域医療体制の充実は、県民の暮らしの安心につながるものから、関係機関と十分な連携を図りながら、医師派遣システムなどさまざまな施策を用いて、地域医療の現場を担う医師の安定的な確保に努めて行きたいと考えています。
さらに、すべての人々が地域でともに暮らす社会づくりを進めるため、障がい者の方々の自立支援や社会参加の促進に向けた取り組みも進めていきたいと考えています。
― 女性の社会参画や高齢者の社会参加についてお聞かせください。
私は、男女が個人として尊重され、それぞれの能力を発揮する機会が確保される社会であるべきだと考えています。 このため、女性の社会参画を進めるための相談・啓発事業や子育て支援対策に、一層力を入れていきます。
また、本県は、全国と比べて、5年程度早いペースで高齢化が進んでいますが、8割以上の人は元気な高齢者ですから、全国のモデルとなるような「治療」から「予防」への運動を全県的に展開し、高齢者の方々の持つ知恵や経験を生かせるよう、高齢者の社会参加を進めていきます。
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「元気みやざき」みんなでスポーツ |
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老人クラブによる清掃奉仕活動 |
― 毎年のように自然災害が、県内各地で発生しています。
県民の皆さまの生命と財産を守るため、災害に強い県土づくりを進めていく必要があります。そのため、治山治水対策などのハード事業はもちろんのこと、情報連絡体制の強化や防災リーダーの養成などのソフト事業に全力を挙げて取り組んでいきます。
また、防災対策推進条例に基づいて、毎年5月の第4日曜日を「宮崎県防災の日」と定めて、県民の防災意識の一層の向上を図っていくこととしました。
災害時に被災者などに対して支援を行うため、「災害時安心基金」(仮称)の創設についても早急に検討していきたいと考えています。
― 最後に県民の皆さまにメッセージをお願いします。
行政やそのほか一部の人間だけが考え、行動する時代は終わりました。宮崎の未来を切り開いていくのは、県民自身であり、すべて県民の力です。
「県民総力戦」で、宮崎本来の魅力や発展の可能性を引き出す県づくりを進め、「宮崎の明るい未来」を築いていきたいと考えていますので、皆さまのご協力を心よりお願い申し上げます。
知事プロフィール |
Profile |
略 歴 |
昭和32年都城市生まれ
昭和51年県立都城泉ヶ丘高校卒業
昭和55年専修大学経済学部卒業
平成16年早稲田大学第二文学部卒業
平成18年早稲田大学政治経済学部退学 |
趣 味 |
マラソン |
座右の銘 |
少(わか)くして学べば壮にして為すあり
壮にして学べば老いて衰えず
老いて学べば死して朽ちず |
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