報道発表日:2025年10月23日更新日:2025年10月23日
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令和7年8月27日に小林市上下水道局から県に対し、市内の釘松浄水場の水道水及び水道水源(井戸)において、PFAS(有機フッ素化合物)の一種であるPFOS及びPFOAが暫定目標値50ng/L(注1)を超過して検出された旨の情報提供がありました(その後、別水源への切り替えを行い、暫定目標値未満の水が供給されていることが確認されている。)。
これを受け、県では、当該水道水源周辺における概ね500mの範囲の地下水及び水源付近を流れる河川水の水質調査を行いました。
この結果、水道水源の東の井戸1箇所から指針値50ng/L(注2)の超過が確認されました。
(注1)暫定目標値…水道水の水質管理目標設定項目(水道水質管理上留意すべき項目として、将来にわたり水道水の安全性の確保等に万全を期する見地から、水道事業者等において水質基準に係る検査に準じた検査等の実施に努めるべきもの)としてPFOS及びPFOA合算で50ng/L(体重50kgの人が、水を一生涯にわたって毎日2L飲用したとしても、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じないと考えられる値)以下
(注2)指針値…河川や地下水等の環境水の要監視項目(人の健康の保護に関連する物質ではあるが、直ちに環境基準とはせず引き続き知見の集積に努めるべきもの)としてPFOS及びPFOA合算で50ng/L(体重50kgの人が、水を一生涯にわたって毎日2L飲用したとしても、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じないと考えられる値)以下(令和7年6月30日に環境省通知により「指針値(暫定)」から「指針値」に改正)
小林市による測定で暫定目標値超過を確認した水道水源から概ね500m範囲において、井戸6箇所を、また、当該水源の付近を流れる河川(城之下川)の3地点で10月6日に採水を行いました。
水道水源の東の井戸、1箇所から指針値超過が確認されました。
検査結果は下表のとおりです。
| 位置 | 地点 | PFOS及びPFOA(ng/L) | 用途 | |
|---|---|---|---|---|
| 北西 | 地下水(井戸) | 1 |
0.6 |
雑用 |
| 北東 | 2 | 1.1 | 雑用 | |
| 南西 | 3 | 0.3未満 | 未使用 | |
| 東 | 4 | 200 | 雑用 | |
| 南東 | 5 | 0.3未満 | 雑用 | |
| 西 | 6 | 0.3未満 | 雑用 | |
| 北西 | 下佐土原橋 | 7 | 9.8 | ー |
| 北東 | 橋(名称不明) | 8 | 12 | ー |
| 南東 |
五色橋 |
9 | 11 | ー |
今回指針値超過を確認した地点から南東方向(地下水の流れ方向)において水質検査を実施し、指針値超過範囲を特定していきます。
有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、1万種類以上の物質があるとされています。
PFASの中には撥水・撥油性、熱・化学的安定性等の物性を示すものがあり、その中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤、フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤、泡消火剤などの幅広い用途で使用されてきました。
PFOS及びPFOAは、発がん性など人への健康被害が懸念されています。
国では、最新の科学的知見に基づき、専門家による検討を進めています。
POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)により、PFOSは2009年、PFOAは2019年に廃絶等の対象とすることが決められています。
これを受けて、国内では化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づき、PFOSは2010年、PFOAは2021年に製造・輸入等が原則禁止となっています。