海の暮らしと食の魅力を訪ねる
宮崎市から堀切峠を抜けて、左手からゆったりと波を寄せてくる日向灘を眺めると、水平線の丸さを実感できる雄大な風景が広がる。 この海の沖には、はるか南から、幹線道路のように回遊魚を乗せて北上する黒潮が流れ、古くから宮崎の海の男たちは、毎年やってくるカツオやマグロ、シイラ、トビウオなどを求めて、船を漕ぎ出していった。
カツオといえば全国的には高知県が知られているが、宮崎はその高知に二倍近い差をつけて、近海カツオ一本釣りで日本一の水揚げを誇る。10トンクラスの船が主力の沿岸マグロはえ縄漁でも日本一、19トンクラスの近海マグロはえ縄漁でも第2位の水揚げとなっている、いわばカツオ・マグロの王国だ。
県内では、日南市の油津、大堂津、南郷町目井津をはじめ、宮崎市青島、川南町、日向市、延岡市など、ほぼ全域でカツオ・マグロ漁船が操業しており、沖合い数キロの沿岸から、南米ペルー沖合まで、獲物を追う。日本一のカツオ・マグロ基地、宮崎。それを支える人々の暮らしと、新鮮な海の幸の魅力を訪ねて、港町を歩いてみた。

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