1. 概   要

 宮崎県には天然ガスを始めとし、各種金属・非金属鉱床が知られている。特に県の北部は本邦における有数の鉱床地帯の1つで、古くから開発が行われてきたが、現在は槙峰・見立などの著名な鉱山さえも閉山のやむなきに至り、散発的に2・3の探鉱が行われているにすぎない。しかし鉱床の潜在性が大きいことには変わりはなく、今後も国内鉱確保のための基礎的な開発調査が行われているものと期待されている。一方石灰岩を始めとする非金属資源もかなりの潜在埋蔵を有し、また県の南部に賦存する可燃性天然ガスは、次代を担うエネルギー資源として注目に値する。

 本県に胚胎する地下資源を分類すれば次のようである。

天然ガス資源
可燃性天然ガス 宮崎層群分布地域など
二酸化炭素(炭酸ガス) 霧島火山周辺の新第三紀安山岩類及び第四紀安山岩類など
金属資源
含銅硫化鉄鉱床 秩父帯・四万十帯の先新第三系
マンガン鉱床 秩父帯・四万十帯の先新第三系
錫・銅・鉛・亜鉛鉱床 秩父帯・四万十帯の新第三紀火成活動に伴う気成・接触交代・深熱水鉱床
金・銀・アンチモニー鉱床 秩父帯・四万十帯の新第三紀火成活動に伴う中・浅熱水鉱床
非金属鉱床
石灰岩・ドロマイト 秩父帯中の中・古生界
珪石・長石 秩父帯・四万十帯の新第三紀火成活動に伴うペグマタイト鉱床など
蛇紋岩・かんらん岩 秩父帯中の中・古生界
粘土・陶石 新第三紀火山岩類・第四紀層など
石材・工業原料・骨材 砂岩・安山岩・塩基性岩類・シラスなど
温泉・地熱 霧島火山周辺など
地下水 第四紀層

 以上のように、これらの資源は各々特定の地質に関連して賦存しているので、以下各資源の概況を地質との関連を基にして分類・記述する。