犯罪被害に遭われた方へ
最終更新日:2024年5月13日
はじめに
犯罪被害は、ある日突然襲ってきます。被害に遭うこと、御家族の方が犯罪に巻き込まれることは、大変つらく、とても悲しいことです。
突然のことに様々な感情がわき起こり、気持ちが動揺することも珍しくありません。時には、信頼できる誰かに相談したにもかかわらず、心ない言葉に傷つくことだってありえます。
しかし、こうした問題に一人で立ち向かわなくてはならないという訳ではありません。
犯罪被害者の置かれている状況
これまで、社会において犯罪被害者の現状はあまり理解されておらず、被害者は孤立した存在でした。
そのため、被害者を支援する体制も不十分でしたが地下鉄サリン事件をきっかけとして、精神的被害や様々な社会的支援を必要としているということが、広く知られるようになり、社会的に被害者援助の関心が高まってきました。
犯罪被害直後の精神状態
- 不安だった。
- 落ち込んだ。
- 運が悪かったと思った。
- 精神的に不安定になった。
- 誰かにそばにいてほしいと思った。
- 自分を責めた。
- 外出したくないと思った。
犯罪被害者の抱える様々な問題
- 被害に遭ったことによる精神的ショックや身体の不調
- 感情の麻痺
- 無気力、無力感
- 自己の存在意識を見失う
- 孤独感
- 不信感
- 自責感、罪悪感
- 医療費の負担や、失職・転職による経済的困窮
- 捜査過程や裁判などでの精神的・時間的負担
- 周囲の人の無責任なうわさ話や報道・マスコミの取材による不快感やストレス
- 加害者側からの報復や、また同じ被害に遭うのではないかという不安・恐怖
周りの人達から理解を得られず、このような症状を異常ではないかと一人で悩んでいる被害者は少なくありません。しかし、これらの症状は決して異常なことではありません。被害を受けた人には誰にでも起こりえることなのです。家族や友人など周りの人々は、責めたり無理に励ましたりすることを避け、被害者の状態を理解して接していくことが大切です。