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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2025年第27号

第27巻第27号 [宮崎県第27週(6/30〜7/6) 全国第26週(6/23〜6/29)]


宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和7年第27週(ARIのみ第26週)の発生動向

全数報告の感染症(27週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:レジオネラ症1例。
  • 5類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症1例、梅毒6例、百日咳41例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第27週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・第27週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は342人(定点当たり21.3)で、前週比104%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎、手足口病、伝染性紅斑及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、水痘であった。また、第26週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,172人(定点当たり41.9)で、前週比95%とほぼ横ばいであった。

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】

報告数は50人(3.3)で、前週比89%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.5)の約1.3倍であった。年齢群別は5歳から8歳が全体の約半数を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は126人(8.4)で、前週比110%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(7.2)の約1.2倍であった。年齢群別は1歳から3歳が全体の約3割を占めた。

【伝染性紅斑】

報告数は30人(2.0)で、前週比130%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約4.3倍であった。年齢群別は3歳から7歳が全体の約7割を占めた。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は2例(定点当たり0.3)で、宮崎市(1例)、高鍋(1例)保健所から報告があった。年齢は0〜4歳が1例、10〜14歳が1例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)

急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI) 
(2025年第26週:6月23日〜6月29日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。

※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上

(細菌・ウイルスについては2025年7月7日までに検出分)

細菌

○男児から腸管出血性大腸菌(EHEC O157:HNM, VT1,2)が検出された。EHEC感染症は、Vero毒素(VT)を産生、またはVT遺伝子を保有するEHECの感染によって起こり、主な症状は腹痛、下痢及び血便である。嘔吐や38℃台の発熱を伴うこともある。VT等の作用により血小板減少、溶血性貧血、急性腎障害を来して溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こし、脳症などを併発して死に至ることがある(IASR Vol.44 No.5 (2023.5))。一般に初夏から晩秋にかけて多発することから、今後の発生動向に注意する必要がある。

ウイルス


全国2025年第26週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比103%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、水痘、手足口病及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は伝染性紅斑であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比97%とほぼ横ばいであった。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は5,974人(2.5)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(2.7)の約0.9倍であった。栃木県(5.6)、埼玉県(4.7)、愛媛県(4.7)からの報告が多く、年齢群別では4歳から7歳が全体の約半数を占めた。

伝染性紅斑の報告数は5,020人(2.1)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.6)の約3.8倍であった。山形県(5.5)、群馬県(5.2)、栃木県(4.7)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。

* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

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