
宮崎県感染症発生動向調査2025年第28号
第27巻第28号 [宮崎県第28週(7/7〜7/13) 全国第27週(6/30〜7/6)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第28週(ARIのみ第27週)の発生動向
全数報告の感染症(28週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核6例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症:デング熱1例。
- 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒1例、百日咳42例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第28週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第28週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は373人(定点当たり23.7)で、前週比112%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、水痘及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は咽頭結膜熱、手足口病、伝染性紅斑であった。また、第27週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,262人(定点当たり45.1)で、前週比108%と増加した。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は53人(3.5)で、前週比106%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.1)の1.7倍であった。年齢群別は4歳から9歳が全体の約6割を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は122人(8.1)で、前週比97%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(6.7)の約1.2倍であった。年齢群別は2歳から6歳が全体の約半数を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は23人(1.5)で、前週比77%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約3.0倍であった。年齢群別は3歳から7歳が全体の約7割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は2例(定点当たり0.3)で、いずれも宮崎市保健所から報告があった。年齢は0〜4歳が1例、5〜9歳が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第27週:6月30日〜7月6日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
全国2025年第27週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比106%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、手足口病、伝染性紅斑及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患は咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、水痘であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比104%とほぼ横ばいであった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は5,565人(2.4)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(2.6)の約0.9倍であった。栃木県(5.0)、愛媛県(5.0)、埼玉県(4.7)からの報告が多く、年齢群別では4歳から7歳が全体の約半数を占めた。
伝染性紅斑の報告数は5,474人(2.3)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.6)の約4.0倍であった。山形県(5.9)、群馬県(5.6)、石川県(5.0)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2025年6月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は29人(2.2)で、前月比78%と減少した。また、昨年6月(3.1)の約0.7倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数14人(1.1)で、前月の約0.7倍、昨年6月の約0.6倍であった。20歳代が全体の約9割を占めた。(男性3人・女性11人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数10人(0.77)で、前月の約1.1倍、昨年6月の約1.3倍であった。(女性10人)
- 尖圭コンジローマ:報告数2人(0.15)で、前月及び昨年6月の0.5倍であった。(女性2人)
- 淋菌感染症:報告数3人(0.23)で、前月と同率、昨年6月の0.5倍であった。(男性2人・女性1人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,771人(4.9)で、前月比106%と増加した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,545人(2.6)で前月比105%、性器ヘルペスウイルス感染症928人(0.95)で前月比106%、尖圭コンジローマ585人(0.60)で前月比113%、淋菌感染症713人(0.73)で前月比101%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は11人(1.6)で、前月比61%と減少した。また、昨年6月(3.6)の約0.4倍であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数11人(1.6)で、前月の約0.6倍、昨年6月の約0.4倍であった。70歳以上が全体の約6割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,239人(2.6)で、前月比95%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,192人(2.5)で前月比95%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症37人(0.08)で前月比100%、薬剤耐性緑膿菌感染症10人(0.02)で前月比200%であった。
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