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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第20号

第18巻20号[宮崎県第20週(5/16〜5/22)全国第19週(5/9〜5/15)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第20週の発生動向

全数報告の感染症(20週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核7 例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:梅毒 1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜20週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は731人(定点当たり21.9)で、前週比86%と減少した。前週に比べ増加した主な疾患は手足口病と伝染性紅斑で、減少した主な疾患は水痘とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は93人(2.6)で、前週比77%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.9)の約0.9倍であった。日南(8.0)、中央(6.0)保健所からの報告が多く、年齢別は下グラフに示す。

※過去5年間の当該週、前週、後週(計16週)の平均値

【流行性耳下腺炎】
報告数は123人(3.4)で、前週比86%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.71)の約4.8倍であった。高千穂(14.0)、小林(13.7)、日向(7.0)保健所からの報告が多く、年齢別では3〜5歳が全体の約5割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○無菌性髄膜炎:延岡保健所から2例報告があった。0〜4歳、5〜9歳が1例ずつであった。
○マイコプラズマ肺炎:高鍋保健所から1例報告があった。10歳代が1例であった。
○感染性胃腸炎(ロタウイルス):日向保健所から1例報告があった。0〜4歳が1例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年5月23日までに検出)

細菌

○5月に入り、乳幼児および成人4名の咽頭ぬぐい液から百日咳菌が検出されている。百日咳検査のgold standardは菌の分離であるが、抗菌薬投与後やワクチン既接種者、成人では難しいとされ、遺伝子検出による間接証明が一般的となっている。今回、協力医療機関の判断によりいずれも抗菌薬投与前に検体が採取されており、被験者全てから百日咳菌が分離されている。

ウイルス

○インフルエンザと診断された乳幼児4名からインフルエンザAH1pdm09型、2名からインフルエンザB型(山形系統)が分離された。

○呼吸器症状及び発疹を呈する乳幼児7名からエコーウイルス18型が分離された。エンテロウイルスは腸管だけでなく咽頭でも増殖し、呼吸器症状を呈することがある。集団風邪との因果関係は不明だが、咳や鼻水を介して、ウイルスが伝播することもあるので注意が必要である。

○気管支炎を呈する乳児1名と成人1名からライノウイルスが検出された。ライノウイルス感染症は一年中みられるが、特に、晩春、初秋に多いとされている。

全国2016年第19週の発生動向

全数報告の感染症(全国第19週)
定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比123%と増加した(祝日を含む)。前週と比較して増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎であった。減少した主な疾患はインフルエンザであった。

流行性耳下腺炎の報告数は2,994人(0.95)で前週比125%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.44)の約2.2倍であった。宮崎県(4.0)、山形県(3.4)、石川県(2.5)からの報告が多く、年齢別では4〜5歳が全体の約3割を占めた。

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