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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第26号

第18巻26号[宮崎県第26週(6/27〜7/3)全国第25週(6/20〜6/26)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第26週の発生動向

トピックス
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

(全数報告の感染症)の報告が延岡保健所から1例あった。県内での報告は今年4例目で、累計31例(平成25年3月届出開始以降)となった。患者は80歳代女性で、発症は6月中旬であった。ダニの刺し口と思われる発赤があり、海外渡航歴はなかった。

全数報告の感染症(26週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核5例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群1例。
  • 5類感染症:報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜25週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は778人(定点当たり24.6)で、前週比107%とやや増加した。前週に比べ増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患は水痘と伝染性紅斑であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【ヘルパンギーナ】
報告数は147人(4.1)で、前週比199%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(5.1)の0.8倍であった。高鍋(7.5)、日南、中央(各6.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約7割を占めた。

【流行性耳下腺炎】
報告数は119 人(3.3)で、前週比109%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.78)の約4.2 倍であった。日向(11.0)、小林(9.3)、高千穂(7.0)保健所からの報告が多く、年齢別では3〜5歳が全体の約半数を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:宮崎市(8例)、高鍋(3例)、日南、日向(各1例)保健所から報告があった。1〜4歳が4例、5〜9歳が5例、10歳代が4例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年7月4日までに検出)

細菌

ウイルス

○発熱、発疹乳児2名からパレコウイルス3型が検出された。パレコウイルス感染症は、国内では、2008年、2011年、2014年に流行している。当所では、2014年からパレコウイルスの検査を開始し、2014年に21件、2015年に3件検出された。今年は、現在までに4件検出されており、今後の動向に注意する必要がある。

○ヘルペス口内炎の乳児と急性脳症の乳児からヘルペスウイルス6型(HHV6)が検出された。HHV6は、初感染後、唾液腺、リンパ節、神経系などに潜伏感染するため、咽頭ぬぐい液から遺伝子が検出されても、病的意義は低く、口内炎との因果関係については不明である。一方、血清から検出された場合は、初感染や再活性化が考えられ、病的意義が高い。また、HHV6は、突発性発疹の原因ウイルスの一つであるが、まれに脳炎・脳症を起こすがある。

全国2016年第25週の発生動向

全数報告の感染症(全国第25週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比102%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナであった。減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎であった。

流行性耳下腺炎の報告数は3,554人(1.1)で前週比107%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.54)の約2.0倍であった。宮崎県(3.0)、佐賀県(2.9)、山形県(2.2)からの報告が多く、年齢別では4〜5歳が全体の約3 割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値


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