所長挨拶 研究所の紹介 発表・調査研究 情報・ニュース 宮崎県感染症情報センター 見学と研修のお申し込み リンク集 お問い合わせ

宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第50号

第18巻50号[宮崎県第50週(12/12〜12/18)全国第49週(12/5〜12/11)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第50週の発生動向

全数報告の感染症(50週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核6例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:つつが虫病5例。
  • 5類感染症:アメーバ赤痢1例、侵襲性肺炎球菌感染症1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜50週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は1,524人(定点当たり44.2)で、前週比109%と増加した。前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は手足口病と流行性耳下腺炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【感染性胃腸炎】
報告数は1,080人(30.0)で、前週比115%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(19.3)の約1.6倍であった。中央(53.0)、宮崎市(46.5)、日南(39.7)保健所からの報告が多く、年齢別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】
報告数は73人(1.2)で、前週比170%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.95)の約1.3倍であった。高千穂(3.0)、都城(2.1)、中央(2.0)保健所からの報告が多く、年齢別は10〜14歳が全体の約3割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:日向(3例)、延岡(2例)保健所から報告があった。5〜9歳が3例、10歳代が2例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年12月19日までに検出)

細菌

ウイルス

○胃腸炎と診断された小児2名から、ノロウイルスGUが検出された。ノロウイルスは、冬季に多発するウイルス性の感染性胃腸炎を引き起こす主要な病原体として知られている。ノロウイルスには5つの遺伝子群(GI〜V)が存在しているが、ヒトに感染するのはGI、U、IVである。さらに、GIは9種類、GUは22種類の遺伝子型に分類される。全国のノロウイルス検出状況をみると、GUが大半を占めており、遺伝子型別にみると、2016年1月から3月にかけてはGU.4、GU.17が主流であったのに対して、2016年10月以降はGU.2が主流となっているため、今後の発生動向に注意する必要がある。

○不明の発疹症と診断された幼児1名及び小児2名から、パルボウイルスB19が検出された。パルボウイルスB19に感染すると1週間程度で感冒様症状が表れ、特徴的な発疹を呈するが、発疹を呈した時点では、ウイルス血症はほぼ無くなり、周囲への感染性はほとんどない状態とされている。パルボウイルスB19に一度感染すると終生免疫が得られ、一般に再感染はない。しかし、免疫不全者においては持続感染を起こす場合がある。

全国2016年第49週の発生動向

全数報告の感染症(全国第49週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比110%と増加した。前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎であった。減少した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナであった。

インフルエンザの報告数は16,404人(3.3)で前週比133%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.4)の約2.3倍であった。栃木県(10.1)、沖縄県(9.6)、岩手県(8.9)からの報告が多く、年齢別では5〜9歳が全体の約3割を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は61,547人(19.5)で前週比112%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(11.8)の約1.6倍であった。山形県(45.4)、宮城県(41.4)、埼玉県(30.9)からの報告が多く、年齢別では3〜6歳が全体の約4割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

PDFファイルダウンロード

バックナンバーはこちら


宮崎県衛生環境研究所
〒889-2155 宮崎市学園木花台西2丁目3-2 / 電話.0985-58-1410 FAX.0985-58-0930