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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2017年第50号

第19巻50号[宮崎県第50週(12/11〜12/17)全国第49週(12/4〜12/10)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第50週の発生動向

トピックス
  • インフルエンザ(定点把握対象)
    第50週(12/11〜12/17)の定点当たりの報告数は13.6と、今シーズン初めて流行注意報基準値(10.0)を上回りました。昨シーズンと比較して4週間早くなっています。詳細後述。
全数報告の感染症(50週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核5例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:つつが虫病7例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2017年第1週〜50週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は1,534人(定点当たり36.4)で、前週比131%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は手足口病とRSウイルス感染症である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】
報告数は803人(13.6)で、前週比231%と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値*(1.3)の約11倍である。日南(38.0)、宮崎市(18.3)、都城(12.0)保健所からの報告が多く、年齢別は5〜9歳が全体の約4割を占めた。

【感染性胃腸炎】
報告数は372人(10.3)で、前週比104%とほぼ横ばいで、例年同時期の定点当たり平均値*(21.8)の約0.5倍である。小林(23.7)、都城(14.3)、日南(13.3)保健所からの報告が多かった。年齢別は別グラフに示す。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

報告なし。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成29年12月18日までに検出)

細菌

○20代後半の女性から赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)が検出された。赤痢アメーバは、消化器症状を主とする腸管アメーバ症や腸管以外の臓器に病変を形成する腸管外アメーバ症を起こす。検出には、赤血球を貪食する栄養型の証明が"Gold Standard"であるが、水との暴露などによって速やかに死滅するため迅速な鏡検が必要である。また、病原性がないEntamoeba dispar との鑑別は形態学的に困難であり、シストのみが観察される場合などには、PCR法も有効である。

ウイルス

○呼吸器症状のある乳児2名のうち、1名からライノウイルス、1名からRSウイルスが検出された。全国の呼吸器症状を起こすウイルスの分離・検出状況をみると、インフルエンザウイルス以外ではライノウイルス、RSウイルスの検出が多くなっている。当所では、2017年10月以降、呼吸器症状を呈する患者からライノウイルス6件、RSウイルス3件が検出されており、そのうち各2件は1歳未満の乳児からの検出となっている。

全国2017年第49週の発生動向

全数報告の感染症(全国第49週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比114%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は水痘とヘルパンギーナである。

インフルエンザの報告数は20,127人(4.1)で前週比157%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.9)の約2.1倍である。長崎県(10.5)、沖縄県(7.1)、大分県(6.8)からの報告が多く、年齢別では5〜9歳が全体の約4割を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は24,683人(7.8)で前週比113%と増加したが、例年同時期の定点当たり平均値*(13.8)の約0.6倍である。大分県(14.8)、愛媛県(13.3)、東京都(12.7)からの報告が多く、年齢別では1〜4歳が全体の約半数を占めた。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は9,707人(3.1)で前週比107%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(2.5)の約1.3倍である。鳥取県(7.3)、北海道(5.9)、山形県(5.6)からの報告が多く、年齢別では4〜6歳が全体の約4割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向<2017年11月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は35人(2.7)で、前月比85%と減少した。また、昨年11月(2.2)の約1.2倍である。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数27人(2.1)で、前月とほぼ同率、昨年11月の約1.6倍である。20歳代が全体の約4割を占めた。(男性15人・女性12人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数3人(0.23)で、前月の0.3倍、昨年11月の約0.6倍である。40歳代が全体の約7割を占めた。(女性3人)
  • 尖圭コンジローマ
    報告数1人(0.08)で、前月と同率、昨年11月の約0.5倍である。(女性1人)
  • 淋菌感染症
    報告数4人(0.31)で、前月と同率、昨年11月の約0.8倍である。(男性4人)

【全国】定点医療機関総数:983
定点医療機関からの報告総数は3,826人(3.9)で、前月比92%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,975人(2.0)で前月比88%、性器ヘルペスウイルス感染症722人(0.73)で前月比90%、尖圭コンジローマ453人(0.46)で前月比102%、淋菌感染症676人(0.69)で前月比97%である。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は25人(3.6)で前月比93%と減少した。また昨年11月(3.0)の約1.2倍である。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数25人(3.6)で、前月の約0.9倍、昨年11月の約1.2倍である。70歳以上が全体の約6割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:475
定点医療機関からの報告総数は1,511人(3.2)で、前月比98%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,347人(2.8)で前月比97%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症151人(0.32)で前月比103%、薬剤耐性緑膿菌感染症13人(0.03)で前月比150%である。

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