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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2018年第6号

第20巻第6号[宮崎県第6週(2/5〜2/11)全国第5週(1/29〜2/4)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成30年第6週の発生動向

全数報告の感染症(6週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:E型肝炎1例。
  • 5類感染症:ウイルス性肝炎1例、急性脳炎1例、後天性免疫不全症候群2例、侵襲性肺炎球菌感染症1例、百日咳3例

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜6週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は3,884人(定点当たり76.0)で、前週比103%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患は流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は咽頭結膜熱とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】
報告数は3,316人(57.2)で、前週比102%とほぼ横ばいであり、例年同時期の定点当たり平均値*(35.6)の約1.6倍である。小林(95.0)、都城(77.0)、延岡(66.9)保健所からの報告が多く、年齢別は10歳未満が全体の約6割を占めている。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
  • 感染性胃腸炎(ロタウイルス)
    報告数は11例で、日向(5例)、延岡(3例)、宮崎市、日南、高鍋(各1例)保健所からの報告であった。いずれも5歳未満である。なお、病原体の群別は不明である。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年2月13日までに検出)

細菌

0〜4歳の小児の血液からHaemophilus influenzae(インフルエンザ菌)が分離された。小児のインフルエンザ菌による侵襲性感染症は、b型の莢膜を保有するHaemophilus influenzae type b(Hib)によるものが多いが、今回の菌株はa〜f型の莢膜に特異的な抗血清とはいずれも凝集しなかった。莢膜を保有しないnon-typable Haemophilus influenzae(NTHi)の可能性も考えられるが、最終的には莢膜遺伝子の有無を確認する必要がある。

ウイルス

〇呼吸器症状のある乳児1名、幼児1名からヒトコロナウイルスOC43(HCoVOC43)が検出された。人に上気道炎などの呼吸器症状を起こすHCoVとして、αコロナウイルスの229E、NL63、βコロナウイルスのOC43、HKU1がある。全国の昨年のHCoV検出状況をみると、229Eが3件、NL63が55件、HKU1が19件、OC43が81件であった。当所でHCoVが検出されたのは2015年以来であり、冬季に流行が見られることから、今後の動向に注意する必要がある。

〇インフルエンザと診断された14名からインフルエンザウイルスが分離・検出された。2018年2月9日現在の全国におけるインフルエンザウイルス分離・検出状況をみると、今年に入り、B(山形系統)が多くなっており、次いでAH3、AH1pdm09となっている。当所では今年に入り、AH1pdm09が19件、B(山形系統)が16件、AH3が6件分離・検出されており、AH1pdm09がやや多い傾向となっている。

全国2018年第5週の発生動向

全数報告の感染症(全国第5週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比103%とほぼ横ばいである。なお、前週と比較して増加した主な疾患は流行性角結膜炎で、減少した主な疾患は特になかった。

インフルエンザの報告数は268,811人(54.3)で前週比104%とほぼ横ばいであるが、例年同時期の定点当たり平均値*(32.0)の約1.7倍である。大分県(77.1) 、福岡県(70.0)、埼玉県(68.3)からの報告が多く、年齢別では10歳未満が全体の約半数を占めている。

感染性胃腸炎の報告数は16,159人(5.1)で前週比100%と横ばいであり、例年同時期の定点当たり平均値(7.8)の約0.7倍である。大分県(16.9)、宮崎県(10.3)、鹿児島県(8.6)からの報告が多く、年齢別では1〜4歳が全体の約4割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2018年1月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は25人(1.9)で、前月比74%と減少した。また、昨年1月(3.5)の56%である。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数20人(1.5)で、前月の約1.1倍、昨年1月の約0.8倍である。   20歳代が全体の約7割を占めた。(男性10人・女性10人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数2人(0.15)で、前月の約0.3倍、昨年1月の約0.2倍である。(女性2人)
  • 尖圭コンジローマ
    報告なし。
  • 淋菌感染症:報告数3人(0.23)で、前月の約0.6倍、昨年1月の約0.4倍である。(男性3人)

【全国】定点医療機関総数:980
定点医療機関からの報告総数は3,798人(3.9)で、前月比102%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,974人(2.0)で前月比99%、性器ヘルペスウイルス感染症729人(0.74)で前月比100%、尖圭コンジローマ416人(0.42)で前月比105%、淋菌感染症679人(0.69)で前月比110%である。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は15人(2.1)で前月比115%と増加した。また昨年1月(2.0)の107%である。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数15人(2.1)で、前月の約1.2倍、昨年1月の約1.2倍である。60歳以上が全体の半数以上を占めている。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:474
定点医療機関からの報告総数は1,552人(3.3)で、前月比102%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,351人(2.9)で前月比100%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症190人(0.40)で前月比118%、薬剤耐性緑膿菌感染症11人(0.02)で前月比100%である。

インフルエンザ情報《県内第6週、全国第5週(再掲)》

県内第6週インフルエンザ発生動向

2018年2月5日〜2月11日までの1週間で3,316人(57.2)の報告があった。前週とほぼ横ばいであり、例年同時期の定点当たり平均値*(35.6)の約1.6倍である(図1)。保健所別推移を図2に示す。年齢群別では5歳未満が全体の20%、5-9歳が35%、10-14歳が21%、15-19歳が5%、20-59歳が14%、60歳以上が5%を占めている(図3)。


全国第5週インフルエンザ発生動向

2018年1月29日〜2月4日までの1週間で268,811人(54.3)の報告があり、前週とほぼ横ばいである。大分県(77.1) 、福岡県(70.0)、埼玉県(68.3)からの報告が多い。年齢群別では5歳未満が全体の17%、5-9歳が34%、10-14歳が20%、15-19歳が5%、20-59歳が17%、60歳以上が7%である。

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