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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第36号

第25巻第36号 [宮崎県第36週 (9/4〜9/10) 全国第35週(8/28〜9/3)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第36週の発生動向

全数報告の感染症(36週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:レプトスピラ症1例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒3例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第36週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は2,147人(定点当たり44.4)で、前週比110%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、咽頭結膜熱及びA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は1,220人(21.0)で、前週比110%と増加した。高鍋(33.3)、中央(24.0)、都城(23.8)、日南(23.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は356人(6.1)で、前週比124%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.19)の約32.7倍であった。延岡(14.0)、小林(11.5)、日南(8.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【手足口病】

報告数は166人(4.6)で、前週比106%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.5)の約3.0倍であった。延岡(10.0)、宮崎市(7.0)、小林(5.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から5歳が全体の約8割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年9月11日までに検出)

細菌


ウイルス

○胃腸炎、肝炎の症状を呈する乳児1名からエコーウイルス3型が検出された。エコーウイルスを含むエンテロウイルスは経口感染しやすく、呼吸器系へのウイルス排泄は通常1週間程度であるが、糞便への排泄は発症から2〜3週間程度持続する。このため、マスク着用や手洗いを中心とした予防対策の徹底が重要となる。2022/2023シーズンのインフルエンザウイルスは、2022年の52週に定点1.0を超えて以降、2023年14〜15週に一時的に定点1.0を下回ったのみで35週まで定点1.0以上を維持したまま、2023年9月4日より2023/2024シーズンに入った。丁寧な手洗いやこまめな換気などの感染予防が重要である。

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

XBB系統は第36週で約95%を占め、EG.5.1系統(XBB.1.9.2の子孫株)が約33%を占めた。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

全国2023年第35週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比113%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、咽頭結膜熱、手足口病及び伝染性紅斑で、減少した主な疾患は特になかった。

インフルエンザの報告数は12,638人(2.6)で前週比183%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.11)の約23.4倍であった。沖縄県(9.4)、宮崎県(5.0)、三重県(4.4)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。

新型コロナウイルス感染症の報告数は101,289人(20.5)で前週比107%と増加した。岩手県(35.2)、宮城県(32.5)、秋田県(30.6)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約3割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2023年8月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は39人(3.0)で、前月比115%と増加した。また、昨年8月(2.2)の約1.4倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数23人(1.8)で、前月と同程度、昨年8月の約1.2倍であった。20歳代が全体の約7割を占めた。(男性7人・女性16人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数10人(0.77)で、前月の約3.3倍、昨年8月の2.5倍であった。(男性1人・女性9人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数2人(0.15)で、前月の2.0倍であった。(昨年8月報告なし、女性2人)
  • 淋菌感染症:報告数4人(0.31)で、前月の約0.7倍、昨年8月の0.8倍であった。(男性4人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,809人(4.9)で、前月比101%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,632人(2.7)で前月比101%、性器ヘルペスウイルス感染症821人(0.84)で前月比106%、尖圭コンジローマ529人(0.54)で前月比92%、淋菌感染症827人(0.84)で前月比105%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は26人(3.7)で、前月比118%と増加した。また、昨年8月(3.9)と同程度であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数26人(3.7)で、前月の約1.2倍、昨年8月と同程度であった。70歳以上が全体の約6割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,435人(3.0)で、前月比106%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,328人(2.8)で前月比107%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症99人(0.21)で前月比96%、薬剤耐性緑膿菌感染症8人(0.02)で前月比100%であった。

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