所長挨拶 研究所の紹介 発表・調査研究 情報・ニュース 宮崎県感染症情報センター 見学と研修のお申し込み リンク集 お問い合わせ

宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第38号

第25巻第38号 [宮崎県第38週 (9/18〜9/24) 全国第37週(9/11〜9/17)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第38週の発生動向

トピックス
  • インフルエンザ(定点把握対象の疾患)
    第38週(9/18〜9/24)の定点当たりの報告数が14.0と、今シーズン初めて流行注意報レベル基準値(10)を超えた。例年と比較して最も早い時期での基準値超えとなった。詳細後述。
全数報告の感染症(38週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核3例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:日本紅斑熱1例、レジオネラ症2例。
  • 5類感染症:アメーバ赤痢1例、梅毒1例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第38週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は1,812人(定点当たり35.2)で、前週比89%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は647人(11.2)で、前週比66%と減少した。都城(17.8)、中央(15.5)、高鍋(12.5)保健所の報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は812人(14.0)で、前週比165%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.25)の約55.9倍であった。宮崎市(23.4)、日南(17.6)、中央(16.5)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。

【手足口病】

報告数は96人(2.7)で、前週比73%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.5)の約1.7倍であった。高千穂(7.0)、宮崎市(4.7)、小林(4.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から4歳が全体の約8割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:日向保健所から1例報告があった。年齢は10歳代であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年9月25日までに検出)

細菌

○10歳代の男性から腸管出血性大腸菌(EHEC O157:HNM VT1,2)が検出された。腸管出血性大腸菌は経口感染し、少ない菌量でも家族や保育園等の集団で感染が広がることがあるため、食材の加熱、調理器具の消毒、手洗い等を徹底する必要がある。腸管出血性大腸菌による感染症は夏季に増加する傾向にあるが、例年秋から冬にかけても発生しており今後も注意が必要である。

ウイルス

○インフルエンザと診断された小児1名から、インフルエンザウイルスAH1pdm09が分離された。当所での2022/2023シーズンにおけるインフルエンザウイルス分離検出件数は、インフルエンザウイルスAH3が62件、インフルエンザウイルスAH1pdm09が1件、インフルエンザウイルスB(ビクトリア系統)が2件となっている。

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

XBB系統は第38週で約89%を占め、EG.5.1系統(XBB.1.9.2の子孫株)が約27%を占めた。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

全国2023年第37週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比101%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、咽頭結膜熱及びA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、伝染性紅斑及びヘルパンギーナであった。

インフルエンザの報告数は34,665人(7.0)で前週比157%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.23)の約30.0倍であった。沖縄県(20.9)、千葉県(14.5)、愛媛県(12.1)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。

新型コロナウイルス感染症の報告数は86,510人(17.5)で前週比87%と減少した。埼玉県(25.0)、千葉県(24.0)、宮城県(22.8)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満が全体の約半数を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

PDFファイルダウンロード

バックナンバーはこちら


宮崎県衛生環境研究所
〒889-2155 宮崎市学園木花台西2丁目3-2 / 電話.0985-58-1410 FAX.0985-58-0930