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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第42号

第25巻第42号 [宮崎県第42週 (10/16〜10/22) 全国第41週(10/9〜10/15)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第42週の発生動向

トピックス
  • インフルエンザ(定点把握対象の疾患)
    延岡保健所管内のインフルエンザの定点当たり報告数が32.3と流行警報レベル開始基準値である「30」を超えた。宮崎県全体の定点当たりの報告数は11.4で先週比約1.1倍と増加しており、依然として流行注意報レベル基準値である「10」を超えているため、今後の動向に注意が必要である。詳細後述。
全数報告の感染症(42週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核3例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症1例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第42週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は1,347人(定点当たり30.0)で、前週比111%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症と手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は140人(2.4)で、前週比79%と減少した。延岡(5.4)、高千穂(4.5)、日向(2.7)保健所の報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は661人(11.4)で、前週比109%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.22)の約51.2倍であった。延岡(32.3)、日向(19.8)、高鍋(12.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。

【咽頭結膜熱】

報告数は88人(2.4)で、前週比284%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.41)の約6.0倍であった。中央(7.0)、宮崎市(4.7)、都城(2.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から3歳が全体の約半数を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

XBB系統は第42週で約85%を占め、EG.5.1系統(XBB.1.9.2の子孫株)が約31%を占めた。
XBB以外のX系統としてHW.1.1が1件検出された。HW.1.1はXBC系統(BA.2系統とB.1.617.2(デルタ)の組み換え株)で、数は少ないものの、国内でも検出されている。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年10月23日までに検出)

細菌

○10歳代の男性から、Salmonella Corvallisが分離された。S.Corvallisは、例年4例程度分離されていたが、今年度はすでに8例分離されており増加傾向にある。サルモネラ症の予防には、原因食品、特に食肉及び鶏卵の低温保存管理、調理前後の汚染防止等の衛生管理が大切である。また、低年齢層ではペット等の動物からの接触感染にも注意が必要である。

ウイルス

全国2023年第41週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比93%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症及びヘルパンギーナであった。

インフルエンザの報告数は54,709人(11.1)で前週比111%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.21)の約52.9倍であった。沖縄県(25.4)、千葉県(20.9)、埼玉県(19.7)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。

新型コロナウイルス感染症の報告数は18,587人(3.8)で前週比72%と減少した。北海道(6.6)、岐阜県(6.1)、石川県(5.6)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満が全体の約3割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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