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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第44号

第25巻第44号 [宮崎県第44週 (10/30〜11/5) 全国第43週(10/23〜10/29)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第44週の発生動向

全数報告の感染症(44週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核4例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症2例。
  • 4類感染症:日本紅斑熱3例。
  • 5類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌感染症1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、水痘(入院例)1例、梅毒9例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第44週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は1,437人(定点当たり33.1)で、前週比98%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は101人(1.7)で、前週比58%と減少した。延岡(4.7)、高千穂(3.5)、中央(2.5)保健所の報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は735人(12.7)で、前週比106%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.32)の約39.0倍であった。小林(20.5)、高千穂(18.0)、宮崎市(16.9)、延岡(16.9)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】

報告数は225人(6.3)で、前週比105%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.5)の約4.2倍であった。延岡(10.3)、都城(9.3)、日南(8.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は4歳から7歳が全体の約半数を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年11月6日までに検出)

細菌


ウイルス

○髄膜炎の症状を呈する乳児1名からコクサッキーウイルスB5型が分離された。小児のウイルス性髄膜炎を起こす原因ウイルスはエンテロウイルスが8割以上を占め、初夏から秋にかけて増加する傾向にある。

○インフルエンザと診断された患者1名からインフルエンザウイルスAH3、3名からインフルエンザウイルスAH1pdm09が分離された。2023年11月6日現在における当所でのインフルエンザウイルス(2023/2024シーズン)分離検出件数は、インフルエンザウイルスAH3が1件、インフルエンザウイルスAH1pdm09が4件となっている。

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

XBB系統は第44週で100%を占め、EG.5.1系統(XBB.1.9.2の子孫株)が約33%を占めた。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

全国2023年第43週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比111%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、咽頭結膜熱及びA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症、手足口病、ヘルパンギーナ及び流行性耳下腺炎であった。

インフルエンザの報告数は97,292人(19.7)で前週比120%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.21)の約92.5倍であった。愛媛県(51.5)、山梨県(29.6)、千葉県(29.3)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。

咽頭結膜熱の報告数は7,635人(2.4)で前週比113%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.20)の約12.0倍であった。福岡県(6.9)、沖縄県(5.8)、佐賀県(5.2)からの報告が多く、年齢群別では1歳から5歳が全体の約8割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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