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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第45号

第25巻第45号 [宮崎県第45週 (11/6〜11/12) 全国第44週(10/30〜11/5)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第45週の発生動向

トピックス
  • 咽頭結膜熱(定点把握対象の疾患)
    第45週の県内定点当たり報告数が3.6となり、流行警報レベル開始基準値である「3」を超えた。咽頭結膜熱の定点当たりの報告数が「3」を超えるのは2006(平成18)年第33週以来となる。詳細後述。
  • インフルエンザ(定点把握対象の疾患)
    高千穂保健所管内のインフルエンザの定点当たり報告数が44.0と流行警報レベル開始基準値である「30」を超えた。宮崎県全体の定点当たりの報告数は13.9で先週比約1.1倍と増加しており、依然として流行注意報レベル基準値である「10」を超えているため、今後の動向に注意が必要である。詳細後述。
全数報告の感染症(45週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症2例。
  • 4類感染症:つつが虫病1例、日本紅斑熱1例。
  • 5類感染症:梅毒1例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第45週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は1,597人(定点当たり36.2)で、前週比109%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症及び咽頭結膜熱で、減少した主な疾患は特になかった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は129人(2.2)で、前週比128%と増加した。高千穂(16.5)、中央(6.5)、延岡(3.7)保健所の報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は808人(13.9)で、前週比110%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.35)の約39.7倍であった。高千穂(44.0)、延岡(19.0)、小林(17.3)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。

【咽頭結膜熱】

報告数は130人(3.6)で、前週比140%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.49)の約7.3倍であった。宮崎市(8.0)、延岡(4.3)、中央(4.0)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から4歳が全体の約7割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

XBB系統は第45週で100%を占め、EG.5.1系統(XBB.1.9.2の子孫株)が約44%を占めた。
「X」で始まる名前は遺伝子組換えで発生した系統に付けられる。
XBBはBJ.1(BA.2.10.1系統)/BM.1.1.1(BA.2.75.3系統)の組換え株である。
ゲノム解析は概ね前週の検体を用いて実施している。なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

全国2023年第44週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比102%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患はRSウイルス感染症、伝染性紅斑及びヘルパンギーナであった。

インフルエンザの報告数は104,359人(21.1)で前週比107%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.25)の約85.0倍であった。山梨県(39.6)、埼玉県(34.8)、愛知県(34.6)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。

咽頭結膜熱の報告数は7,718人(2.5)で前週比101%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.23)の約10.8倍であった。福岡県(6.5)、奈良県(5.6)、佐賀県(4.7)、沖縄県(4.7)からの報告が多く、年齢群別では1歳から5歳が全体の約8割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2023年10月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は46人(3.5)で、前月比107%と増加した。また、昨年10月(2.7)の約1.3倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数25人(1.9)で、前月及び昨年10月の約1.1倍であった。20歳代が全体の約7割を占めた。(男性8人・女性17人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数8人(0.62)で、前月の0.8倍、昨年10月の1.6倍であった。(男性2人・女性6人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数3人(0.23)で、前月の1.5倍であった。(昨年10月報告なし、男性1人・女性2人)
  • 淋菌感染症:報告数10人(0.77)で、前月の約1.1倍、昨年10月の約1.4倍であった。(男性8人・女性2人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,859人(5.0)で、前月比101%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,633人(2.7)で前月比97%、性器ヘルペスウイルス感染症852人(0.87)で前月比107%、尖圭コンジローマ559人(0.57)で前月比116%、淋菌感染症815人(0.83)で前月比100%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は12人(1.7)で、前月比57%と減少した。また、昨年10月(4.4)の約0.4倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数12人(1.7)で、前月の約0.6倍、昨年10月の約0.4倍であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,433人(3.0)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,356人(2.8)で前月比105%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症71人(0.15)で前月比88%、薬剤耐性緑膿菌感染症6人(0.01)で前月比50%であった。

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