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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第46号

第25巻第46号 [宮崎県第46週 (11/13〜11/19) 全国第45週(11/6〜11/12)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第46週の発生動向

トピックス
  • インフルエンザ(定点把握対象の疾患)
    延岡(35.9)、小林(35.8)保健所管内のインフルエンザの定点当たり報告数が流行警報レベル開始基準値である「30」を超えた。宮崎県全体の定点当たりの報告数は21.2で先週比約1.5倍と増加しており、今シーズン初めて県内すべての地域で流行注意報レベル基準値である「10」を超えた。詳細後述。
全数報告の感染症(46週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:つつが虫病2例。
  • 5類感染症:後天性免疫不全症候群1例、侵襲性肺炎球菌感染症2例、梅毒4例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第46週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は1,968人(定点当たり44.0)で、前週比122%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、咽頭結膜熱及びA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症と手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は73人(1.3)で、前週比57%と減少した。高千穂(4.5)、中央(2.5)、都城(2.1)保健所の報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は1,227人(21.2)で、前週比152%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.46)の約46.5倍であった。延岡(35.9)、小林(35.8)、高千穂(24.5)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約7割を占めた。

【咽頭結膜熱】

報告数は154人(4.3)で、前週比118%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.55)の約7.8倍であった。中央(10.0)、都城(8.3)、宮崎市(5.8)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から5歳が全体の約8割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 令和5年11月20日までに検出)

細菌

○90歳代の女性から、腸管出血性大腸菌(EHEC)が検出された。EHEC感染症はVero毒素(VT)を産生、またはVT遺伝子を保有するEHECの感染によって起こり、主な症状は腹痛、下痢および血便である。嘔吐や38℃台の発熱をともなうこともある。VT等の作用により血小板減少、溶血性貧血、急性腎障害を来して溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こし、脳症などを併発して死に至ることがある(IASR Vol.44 No.5(2023.5))。EHEC感染症は夏季に増加する傾向にあるが、例年秋から冬にかけても発生しており今後も注意が必要である。

ウイルス

○急性気管支炎の症状を呈する児童1名からRhino virusが検出された。ライノウイルスは小児から高齢者まで幅広い年齢層に急性上気道炎・下気道炎をきたす代表的なウイルスである。アルコール消毒の効果が低いため、感染予防には手洗いが重要となり消毒には次亜塩素酸ナトリウムを用いることなども視野に入れる必要がある。

全国2023年第45週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比93%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は咽頭結膜熱、水痘及び流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はインフルエンザと新型コロナウイルス感染症であった。

インフルエンザの報告数は85,766人(17.4)で前週比82%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.34)の約51.7倍であった。佐賀県(36.1)、山梨県(29.8)、長野県(27.8)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。

咽頭結膜熱の報告数は10,173人(3.2)で前週比132%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.26)の約12.6倍であった。福岡県(7.4)、奈良県(6.4)、佐賀県(6.3)からの報告が多く、年齢群別では1歳から5歳が全体の約7割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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