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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2023年第47号

第25巻第47号 [宮崎県第47週 (11/20〜11/26) 全国第46週(11/13〜11/19)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和5年第47週の発生動向

トピックス
  • 梅毒(全数報告の感染症)の報告数が昨年と比べて大幅に増加している。診断週による累積報告数は161例と、1999年以降最も多くなった前年(116例)の約1.4倍、第47週時点(95例)と比較すると約1.7倍の報告数となり、今後も増加が懸念される。
    性別は男性が93例、女性が68例で、年齢群別では、20歳代が全体の約4割を占めている。また、保健所別では宮崎市(105例)、都城(31例)保健所からの報告が多くなっている。

  • インフルエンザ(定点把握対象の疾患)
    第47週のインフルエンザの定点当たり報告数が32.5と今シーズン初めて流行警報レベル開始基準値である「30」を超えた。定点当たりの報告数が「30」を超えるのは2020年第4週以来である。詳細後述。
全数報告の感染症(47週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:報告なし。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:つつが虫病3例。
  • 5類感染症:梅毒4例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2023年 第1週〜第47週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は2,697人(定点当たり55.5)で、前週比126%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、咽頭結膜熱及び感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告
【新型コロナウイルス感染症】

報告数は94人(1.6)で、前週比129%と増加した。高千穂(4.5)、都城(2.8)、小林(2.5)保健所の報告が多く、年齢群別は別グラフに示す。

【インフルエンザ】

報告数は1,885人(32.5)で、前週比154%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.74)の約43.8倍であった。小林(77.8)、高鍋(38.8)、延岡(37.7)保健所からの報告が多く、年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。

【咽頭結膜熱】

報告数は174人(4.8)で、前週比113%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.66)の約7.3倍であった。中央(13.0)、都城(7.8)、宮崎市(6.2)保健所からの報告が多く、年齢群別は1歳から6歳が全体の約8割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均

基幹定点からの報告

なし

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

ゲノム解析件数は全国的に減少傾向にあり、宮崎県でも解析対象検体数が減少している。
衛生環境研究所では過去に搬入された検体についても遡及解析を行っているが、8月下旬に採取された検体からBA.2.86.1が見つかった。
BA.2.86系統はBA.2系統の亜系統で、スパイクタンパク質にBA.2系統に比較して30以上、XBB.1.5系統に比較して35以上のアミノ酸の違いがある。現時点で宮崎県での主流は組換え株のXBB系統で、BA.2.86系統に置き換わる状況にはないが、引き続きゲノム解析を実施し、監視していく必要がある。
衛生環境研究所においては、県内医療機関の協力のもと、新型コロナウイルスのPCR陽性となった検体を毎週収集し、ゲノム解析を実施している。

全国2023年第46週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比117%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と流行性耳下腺炎であった。

インフルエンザの報告数は106,940人(21.7)で前週比125%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.50)の約43.0倍であった。佐賀県(47.3)、北海道(39.2)、長野県(35.6)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。

咽頭結膜熱の報告数は10,368人(3.3)で前週比102%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.29)の約11.3倍であった。北海道(6.9)、福岡県(6.6)、富山県(5.4)からの報告が多く、年齢群別では1歳から6歳が全体の約8割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

インフルエンザ情報《県内第47週、全国第46週(再掲)》

県内第47週インフルエンザ発生動向

11月20日〜11月26日までの1週間で1,885人(32.5)の報告があった。前週比154%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.74)の約43.8倍であった。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

全国第46週インフルエンザ発生動向

11月13日〜11月19日までの1週間で106,940人(21.7)の報告があった。前週比125%と増加し、佐賀県(47.3)、北海道(39.2)、長野県(35.6)からの報告が多かった。年齢群別では5歳未満が全体の15%、5-9歳が35%、10-14歳が24%、15-19歳が7%、20-59歳が16%、60歳以上が3%であった。

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