
宮崎県感染症発生動向調査2025年第30号
第27巻第30号 [宮崎県第30週(7/21〜7/27) 全国第29週(7/14〜7/20)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第30週(ARIのみ第29週)の発生動向
全数報告の感染症(30週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核3例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:レジオネラ症1例。
- 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群1例、百日咳28例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第30週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第30週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は522人(定点当たり27.2)で、前週比110%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、ヘルパンギーナであった。
また、第29週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,320人(定点当たり47.1)で、前週比102%とほぼ横ばいであった。
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は282人(10.1)で、前週比212%と増加した。年齢群別は20歳未満と60歳以上がそれぞれ全体の約3割ずつを占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は39人(2.6)で、前週比103%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約5.6倍であった。年齢群別は2歳から7歳が全体の約8割を占めた。
【ヘルパンギーナ】
報告数は49人(3.3)で、前週比86%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(3.5)の約0.9倍であった。年齢群別は1歳から4歳が全体の約9割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は2例(定点当たり0.3)で、宮崎市(1例)、日南(1例)保健所から報告があった。年齢は0〜4歳が1例、10〜14歳が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第29週:7月14日〜7月20日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

○第20-28週はNB.1.8.1が50%、PQ系統が50%であった。
NB.1.8.1はJN.1株とXDE株の組換え体であるXDV株から派生した変異株である。また、PQ系統は、NB.1.8.1の下位系統である。
※衛生環境研究所においては、宮崎県感染症発生動向調査事業実施要綱に基づき、急性呼吸器感染症(ARI)の病原体定点から提出された検体を用いて新型コロナウイルスのゲノム解析を実施している。
なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
全国2025年第29週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比104%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、ヘルパンギーナで、減少した主な疾患は水痘であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比103%とほぼ横ばいであった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は12,069人(3.1)であった。沖縄県(17.6)、鹿児島県(6.5)、熊本県(5.6)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満と60歳以上がそれぞれ全体の約3割ずつを占めた。
伝染性紅斑の報告数は4,881人(2.1)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約4.0倍であった。山形県(5.9)、栃木県(4.7)、秋田県(4.4)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
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