
宮崎県感染症発生動向調査2025年第49号
第27巻第49号 [宮崎県第49週(12/1〜12/7) 全国第48週(11/24〜11/30)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第49週(ARIのみ第48週)の発生動向
全数報告の感染症(49週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核3例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:つつが虫病4例、日本紅斑熱1例。
- 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒1例、百日咳5例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第49週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第49週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は2,037人(定点当たり81.6)で、前週比143%と増加した。
なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は伝染性紅斑であった。
また、第48週の急性呼吸器感染症の報告総数は2,144人(定点当たり76.6)で、前週比105%と増加した。
【インフルエンザ】
報告数は1,751人(62.5)で、前週比165%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(3.8)の約16.4倍であった。年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は43人(2.9)で、前週比80%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.59)の約4.9倍であった。年齢群別は6歳から9歳が全体の約半数を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は109人(7.3)で、前週比106%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(13.7)の約0.5倍であった。年齢群別は1歳から5歳が全体の約6割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は3例(定点当たり0.43)で、宮崎市(3例)保健所から報告があった。年齢はいずれも5〜9歳であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第48週:11月24日〜11月30日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
(細菌・ウイルスについては2025年12月8日までに検出分)
細菌

○20代女性から基質拡張型βラクタマーゼ(ESBL)を産生するKlebsiella pneumoniaeが検出された。検出されたESBL遺伝子はTEM型、SHV型、CTX-M-1groupであった。
90代男性からWeissella confusaが検出された。Weissella confusaはバンコマイシンに自然耐性を示すグラム陽性桿菌であり、免疫不全患者においては敗血症を引き起こすことが報告されている。
ウイルス

※ ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、分離されたウイルスも再掲
全国2025年第48週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比88%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び伝染性紅斑であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比86%と減少した。
インフルエンザの報告数は173,380人(45.0)で前週比88%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.5)の約18.0倍であった。埼玉県(74.8)、長野県(72.5)、福島県(64.8)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は1,343人(0.57)で前週比88%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.47)の約1.2倍であった。宮崎県(3.6)、佐賀県(3.1)、鹿児島県(2.9)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
インフルエンザ情報《県内第49週、全国第48週(再掲)》
県内第49週インフルエンザ発生動向
12月1日〜12月7日までの1週間で1,751人(62.5)の報告があった。前週比165%と増加した。
例年同時期の定点当たり平均値*(3.8)の約16.4倍であった。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

全国第48週インフルエンザ発生動向
11月24日〜11月30日までの1週間で173,380人(45.0)の報告があり、前週比88%と減少した。
埼玉県(74.8)、長野県(72.5)、福島県(64.8)からの報告が多かった。年齢群別では5歳未満が全体の19%、5-9歳が30%、10-14歳が19%、15-19歳が7%、20-59歳が20%、60歳以上が5%であった。
PDFファイルダウンロード
バックナンバーはこちら