
宮崎県感染症発生動向調査2025年第40号
第27巻第40号 [宮崎県第40週(9/29〜10/5) 全国第39週(9/22〜9/28)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第40週(ARIのみ第39週)の発生動向
トピックス
- インフルエンザ(定点把握対象疾患)
第40週(9/29〜10/5)の県内定点当たりの報告数が2.9となり、流行開始の目安(1)を超えた。昨シーズンと比較して1週間早く、今後の動向に注意が必要である。詳細後述。
全数報告の感染症(40週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核3例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:報告なし。
- 5類感染症:アメーバ赤痢1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、梅毒1例、百日咳7例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第40週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第40週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は576人(定点当たり30.9)で、前週比112%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び伝染性紅斑で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症であった。また、第39週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,247人(定点当たり44.5)で、前週比92%と減少した。
【インフルエンザ】
報告数は81人(2.9)で、前週比476%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.2)の約11.9倍であった。年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は207人(7.4)で、前週比80%と減少した。年齢群別は20歳未満が全体の約半数、60歳以上が全体の約2割を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は78人(5.2)で、前週比173%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約11.3倍であった。年齢群別は3歳から8歳が全体の約8割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第39週:9月22日〜9月28日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
新型コロナウイルスゲノム解析結果情報(衛生環境研究所微生物部)

○第34-38 週はPQ系統を含むNB.1.8.1系統が100%であった。(NB.1.8.1は27%、PQ系統は74%)※端数処理の関係で、内訳の和が100%になりません。
PQ系統は、NB.1.8.1の下位系統であり、NB.1.8.1はJN.1株とXDE株の組換え体であるXDV株から派生した変異株である。
※衛生環境研究所においては、宮崎県感染症発生動向調査事業実施要綱に基づき、急性呼吸器感染症(ARI)の病原体定点から提出された検体を用いて新型コロナウイルスのゲノム解析を実施している。
なお、解析検体数が多くない場合は割合の変動が大きくなる。
全国2025年第39週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比94%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、感染性胃腸炎及びヘルパンギーナであった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比103%とほぼ横ばいであった。
新型コロナウイルス感染症の報告数は22,640人(5.9)で前週比85%と減少した。愛媛県(10.1)、大分県(10.1)、宮崎県(9.2)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満が全体の約4割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は2,869人(1.2)で前週比99%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.3)の約4.2倍であった。佐賀県(4.9)、長崎県(3.5)、山形県(3.3)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約7割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
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