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木材の豆知識

 心持ち材は強い?
 よく「心持ち材は強い」と言われますが、これは、本当でしょうか?実は、正角、平角、板類などの材種や木取りの方法等によっては、そう言える場合もあるし、そう言えない場合もあります。少し複雑です。
木材の断面図  木材は、幹の外側にある細胞(形成層)の細胞分裂によって太っていきます。この細胞が著しく分裂する未成熟期に生まれた木部(未熟細胞)は、繊維が短く材質がとても不安定になります。この未熟細胞には髄から10〜15年輪の部分が該当しますが、この外側の部分は樹木固有の安定した成熟材となります。このような理由から、木材が強いか強くないかは、一番外側の部分が髄からどれだけ離れているか、と言うことで決まります。その意味で、元々髄を含まない心去り材は、心持ち材よりも強いと言えるでしょう(半割は例外)。たとえば、板類の心持ち材では、髄から概ね2〜5年輪の部分が外側にきますので、心去り材に比べると弱くなります。しかし、正角では髄が中心にあれば10〜15年輪以降の部分が外側に出るので、その材質は板材よりかなり安定します。さらに、平角になると梁せい方向の外側は成熟材となるので、心去り材との強度差はほとんど無くなります。最近の平角の中には、半割の心去り材を見ることがありますが、このようなケースでは心持ち材よりもむしろ弱くなります。
 木材の断面図