宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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近代日本の発展を支えた
歴史的な工業遺産群

旭化成の工業遺産
Miyazaki sightseeing inheritance

化学・繊維・医療等の分野で日本を代表する企業のひとつである旭化成。その発祥は、大正12年(1923年)に延岡市に設立された日本窒素肥料延岡工場で、世界初のカザレー式アンモニアの合成生産が始まったことに遡る。

昭和3年(1928年)、そのアンモニアを利用した再生繊維「ベンベルグ」の生産開始を皮切りに、アクリル、ナイロン、レーヨンなどの化学繊維や、さまざまな産業の素材となる塩酸や硫酸等を生産、延岡市に形成された日本有数の化学工場群は、近代日本の発展を支えていくことになる。 その原点であるカザレー式アンモニア合成塔をはじめ、ベンベルグの生産に使われたハンク式紡糸機、レーヨンの生産に使われたバタワース紡糸機は経済産業省の近代化産業遺産にも認定されている。

旭化成

こうした歴史的な意義に加えて、最近では「工場萌え」と呼ばれる、工場そのものがもつ機能的な姿や圧倒的な存在感を鑑賞する楽しみ方が登場した。無機質でメカニック、「重厚長大」の代表といえた化学工場が、アートとしての意味をもち始めている。 特にライトアップをしているわけではないが、夜間は、より存在感が際だつ。不夜城のように操業を続ける工場群は、暗闇に日本の近代そのものが浮かび上がっているかのようだ。

巨大なパイプ網

ライトに浮かび上がる巨大なパイプ網。

延岡展示センター

旭化成の歴史や製品を展示する延岡展示センター。

カザレー式アンモニア合成塔

旭化成の原点となったカザレー式アンモニア合成塔。

愛宕山からの夜景

延岡市内を一望する愛宕(あたご)山からの夜景。