宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

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全国区の人気メニュー
発祥の地は延岡市

チキン南蛮
Miyazaki sightseeing inheritance

からりと揚げた鶏肉を甘酢に漬け、タルタルソースをかけて供されるチキン南蛮。近年、全国区の人気メニューとなった料理だが、その発祥の地は延岡市だ。 昭和30年代、同市に洋食の名店として知られた「ロンドン」というレストランがあり、その賄い料理として作られていたものがルーツとされる。

賄い料理だから、正式な名前もなく、タルタルソースもかかっていない「鶏から揚げ甘酢漬け」とも呼ぶべき料理だったようだ。その「ロンドン」で修行をしていた故後藤直さんが、昭和39年頃、経営する居酒屋「直ちゃん」でオリジナルに独自の工夫を加えてメニュー化。同時期に「おぐら大瀬(おおせ)店」を開業した故甲斐照幸さんが、タルタルソースをかけ、サラダなどを添える現在の主流となったスタイルを開発した。

昭和40年代、高度成長にひた走る中で、チキン南蛮は、時折、家族で出かける外食のご馳走メニューとして浸透し、それを楽しみにしていた当時の子供たちが社会の中核を担うようになった現代では、宮崎のソウルフードとしてすっかり定着している。平成21年7月8日(南蛮の日)には、延岡市が「チキン南蛮発祥のまち」を宣言。市民団体によるシンポジウムが開催されるなど、チキン南蛮による町おこしも始まっている。

チキン南蛮

鶏の胸肉を揚げて甘酢に漬け、タルタルソースをかける定番スタイル。

チキン南蛮

チキン南蛮のルーツは、レストランのまかない料理だった。