宮崎県グラフ誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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スギ丸太生産21年連続日本一

みやざきスギを使った家屋

あたたかみのある風合いで建材にも人気。


江戸時代から日南市周辺で植林されてきた飫肥杉に代表されるみやざきスギ。丸太生産量は21年連続で日本一となっており、名実ともに日本最大の杉王国といえる。建築のプロの間では、みやざきスギの評判は高い。
加工がしやすく、吸湿性に富み、質にはばらつきが少ない。さらに価格も安定しているため、木の家の良さを生かした家づくりを、安い価格で提案できるという。
自宅をみやざきスギ(飫肥杉)で建て、モデルルームとしても利用している建築士の長野善伸さん(福岡県筑紫野市)は、「木の家の最大の良さは、室内の空気環境が改善されること」という。
床や壁に木を多用することで家全体が湿気を呼吸し、密閉空間を目指さない作りで、室内に空気の動きができる。壁紙を使わなければシックハウスの心配も減る。最近の研究で、ダニやシロアリに強いことも明らかになってきた。
「いい香りに包まれていると、心も落ち着いてきますね。いずれは飫肥杉を多用した家ばかりを集めた、『飫肥杉タウン』を作りたい」と雄大な構想を語る。

伸建築代表 長野善伸さん
伸建築代表 長野善伸さん


飫肥杉の魅力を発信する家具とクラフト小物

obisugi design オビスギデザイン

オビスギデザインのクラフト

瀬戸内海の漁船から沖縄のサバニまで、樹脂が多く水に強い飫肥杉は、古くから全国各地で船材として重宝されてきた。
温暖多雨な気候のおかげで杉の育ちがよいのも特徴で、いわばおおらかにすくすくと育った杉だから、加工がしやすく、肌あたりがやわらかい。
そんな飫肥杉の魅力を広く知ってもらおうと発足した日南飫肥杉デザイン会では、飫肥杉を使った家具やクラフト小物を製作、「杉屋」というウェブサイトを通して全国に販売している。
かつて船材として優秀さを認められた特性は、そのまま建材としても生かされる。手にとってみると、その肌あたりのやわらかさは格別で、まさに癒しの木といった雰囲気だ。

オビスギデザインの家具
Photo / SCENE Inc.

杉のデザインコンペ、杉コレクション


杉コレクション2012受賞作
杉コレクション2012の受賞作。左/一般部門グランプリ、右/子ども部門グランプリ

県内各地を舞台に2004年から開催されている「杉コレクション」は、誰でも参加できる杉のデザインコンペ(企画競技)。

一般部門と子ども部門で毎年決められたテーマに沿って作品を募集し、グランプリほか各賞を決定。2012年のテーマは、「ひとりじゃヤタイ」。宮崎市の中心街に、11月10日、実物大に製作されたユニークな屋台が軒を並べた。

杉コレクション http://www10.plala.or.jp/sugikore/

みやざき犬