野生鳥獣による農林作物等の被害額について
1.令和6年度の被害額について
被害の状況
令和6年度の被害額は、約4億2百万円で、令和5年度より約6千4百万円、約19%の増加となった。
被害額増減の要因
- 農作物については、水稲ではイノシシ、いも類ではイノシシやアナグマ等、野菜では特にヒヨドリによるキャベツ、ホウレンソウ等の被害が増加した。また、被害額算出の根拠である販売単価の上昇等により被害額が増加した。
- 人工林の被害は、主にシカによるものであり、生息域の拡大等により、被害が増加した地域がある一方で、防護柵等の被害対策や捕獲の効果等により、被害が減少した地域もあり、被害額は僅かに減少した。
- 特用林産物は防護柵の設置やその維持管理を行っている地域では、最小限の被害に抑えられたが、対策を講じていない自家消費用のたけのこのイノシシによる被害が増加した。
今年度の主な取組
- 各地域の鳥獣被害対策特命チームや鳥獣被害対策支援センターを中心に「守れる集落づくり」に向けた合意形成づくりや、集落内での鳥獣被害発生状況を踏まえた、えさ場やひそみ場の除去による生息環境の管理、有害鳥獣の捕獲、効果的な侵入防止柵や防鳥ネットの設置など、地域と一体となった被害防止対策を推進する。
- 被害が増加したイノシシやヒヨドリ対策に関する県域での研修会の開催や、電気柵の効果を高めるアース機能付き防草シートなどの新たな被害低減技術の実証展示ほを設置し、効果的な鳥獣被害防止対策の県内への波及を促進する。
- 国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用した侵入防止柵の整備や有害鳥獣捕獲対策を推進する。また、わなの見回り作業を省力化する捕獲通知システムの普及や、GPS付き首輪を利用したシカやサルの生息地域や行動範囲の把握、侵入した群れをセンサーで検知することで一斉捕獲が可能な檻わなの実証などにより、ICTを活用した鳥獣被害対策を推進する。
- 人工林のシカ等による食害等を防止するため、引き続き、防護柵設置の支援を行うとともに、被害防止効果の高い強化型防護柵の設置や防護柵の適正な維持管理について普及を行う。
- 特用林産物については、「しいたけ等特用林産物生産強化事業」により、電気柵や侵入防止ネット、人工ほだ場などの設置を支援する。また、「原木しいたけ新規参入者向けの基礎研修及びステップアップ研修」において、鳥獣害対策関連の情報周知を行う。
- シカ、サル等の生息状況や被害実態を把握するとともに、捕獲を推進するため、有害鳥獣捕獲及び狩猟に加え、シカの生息密度の高い地域やイノシシ被害が甚大な地域において、県の委託による捕獲事業を実施する。
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狩猟に関する相談会やハンティング模擬体験等を行うイベントを開催し、県民の狩猟への関心を高めるとともに、新規狩猟免許取得希望者を対象とした講習会を開催するほか、狩猟免許取得経費の一部助成を行い、狩猟免許を取得しやすい環境づくりを行う。また、狩猟者を対象とした捕獲技術講習会を開催し、狩猟者の確保・育成を図る。
2.これまでの被害額について
令和5年度以前の被害額については、以下のとおりです。