
宮崎県感染症発生動向調査2010年第16号(医療機関向け情報)
第12巻第16号[宮崎県16週(4/19〜4/25)、全国15週(4/12〜4/18)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第16週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,328人(定点あたり40.3)で、前週比123%と増加した。
前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎と水痘であった。
感染性胃腸炎の報告数は795人(22.1)で前週比119%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(14.1)の約1.6倍と多い。延岡(39.0)、中央(37.0)、小林(31.3)、都城(24.8)、高鍋(20.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では3歳以下で全体の約6割を占めた。
水痘の報告数は178人(4.9)で前週比119%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(3.9)の約1.3倍と多い。高鍋(8.5)、日南(7.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。
クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は2歳の女児で病原体はChlamydophila pneumoniae であった。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核1例が宮崎市保健所から報告された。30歳代の男性で疑似症患者。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
A型肝炎1例が都城保健所から報告された。80歳代の女性で全身倦怠感、黄疸がみられた。血清IgM抗体の検出。
- 5類感染症
梅毒1例が宮崎市保健所から報告された。20歳代の男性で早期顕症梅毒I期。鼠径部リンパ節腫脹がみられた。
全国第15週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は16.2で、前週比108%と増加した。今週増加した主な疾患は手足口病とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と水痘であった。
手足口病の報告数は1,673 人(0.55)で、前週比128%と増加した。例年同時期の約4倍である。愛媛県(4.0)、福井県(3.1)、広島県(2.8)からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は4,116人(1.4)で、前週比124%と増加した。例年同時期の約8割である。福井県(3.7)、山形県(3.6)、富山県(3.1)からの報告が多く、年齢別では3歳から7歳までが全体の約6割を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核284例
- 3類感染症
細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症18例、腸チフス1例、パラチフス2例
- 4類感染症
E型肝炎2例、A型肝炎5例、つつが虫病1例、デング熱2例、レジオネラ症5例
- 5類感染症
アメーバ赤痢7例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎1例、クリプトスポリジウム症1例、クロイツフェルト・ヤコブ病2例、後天性免疫不全症候群15例、ジアルジア症1例、梅毒10例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例、風疹1例、麻しん15例
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