
宮崎県感染症発生動向調査2010年第20号(医療機関向け情報)
第12巻第20号[宮崎県20週(5/17〜5/23)、全国19週(5/10〜5/16)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第20週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,137人(定点あたり33.4)で、前週比100%であった。
前週に比べ増加した主な疾患は、手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患は流行性耳下腺炎とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。
手足口病の報告数は144人(4.0)で前週比187%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.8)と比較すると約2.3倍と非常に多くなっている。中央(13.0)、小林(10.7)、日南(10.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約8割を占めた。
ヘルパンギーナの報告数は73人(2.0)で前週比155%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.7)と比較すると約2.9倍である。延岡(6.8)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では1歳から2歳で全体の約7割を占めた。全て5歳以下の報告であった。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核8例が宮崎市(5例)、小林・日向・中央(各1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
- 60歳代の男性で無症状病原体保有者。
- 50歳代の男性で肺結核。咳がみられた。
- 50歳代の女性で無症状病原体保有者。
- 30歳代の男性で肺結核。
- 50歳代の男性で結核性胸膜炎。発熱、胸痛がみられた。
《小林保健所》
60歳代の女性で結核性胸膜炎。発熱、呼吸困難がみられた。
《日向保健所》
90歳代の男性で結核性胸膜炎。発熱、胸痛がみられた。
《中央保健所》
80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症2例が都城保健所から報告された。
- 10歳代の男子で腹痛、水様性下痢、血便がみられた。原因菌の血清型はO111(VT産生)。
- 80歳代の男性で水様性下痢がみられた。原因菌の血清型はO126(VT産生)。
- 4類感染症
E型肝炎1例が日南保健所から報告された。70歳代の男性で黄疸がみられた。血清IgM抗体の検出。
- 5類感染症
- 急性脳炎1例が宮崎市保健所から報告された。2歳の女児で病原体はロタウイルス。発熱、痙攣、意識障害がみられた。
- 後天性免疫不全症候群1例が宮崎市保健所から報告された。30歳代の男性でAIDS。咳嗽、体重減少がみられた。
病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)
細菌(平成22年5月25日までに分離同定)
ウイルス(平成22年5月25日までに分離同定)
全国第19週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は17.1で、前週(18週)の報告が連休の影響で少なかったため、前週比136%と増加した。また、前々週(17週)と比較すると、96%とほぼ横ばいであった。今週増加した主な疾患はヘルパンギーナ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した疾患はなかった。
ヘルパンギーナの報告数は1,093人(0.36)で、前週比240%と増加した。高知県(1.9)、福岡県・宮崎県(各1.3)、岩手県(1.1)からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は5,010人(1.7)で、前週比202%と増加した。福井県(4.5)、山形県(3.6)、石川県(3.3)からの報告が多く、年齢別では3歳から7歳で約7割を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核312例
- 3類感染症
細菌性赤痢5例、腸管出血性大腸菌感染症16例、腸チフス1例
- 4類感染症
A型肝炎17例、つつが虫病6例、日本紅斑熱1例、マラリア1例、レジオネラ症4例
- 5類感染症
アメーバ赤痢3例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎3例、後天性免疫不全症候群19例、ジアルジア症1例、梅毒4例、破傷風2例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例、風しん1例、麻しん14例
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