
宮崎県感染症発生動向調査2010年第21号(医療機関向け情報)
第12巻第21号[宮崎県21週(5/24〜5/30)、全国20週(5/17〜5/23)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第21週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,208人(定点あたり36.9)で、前週比110%と増加した。
前週に比べ増加した主な疾患はヘルパンギーナと手足口病で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎であった。
ヘルパンギーナの報告数は149人(4.1)で前週比204%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.1)の約3.7倍と多い。中央(22.0)、延岡(12.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では1歳から2歳で全体の約6割を占めた。全て7歳以下の報告であった。
手足口病の報告数は211人(5.9)で前週比147%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.2)の約2.7倍と多い。日南(20.3)、小林(12.7)、都城(9.3)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約8割を占めた。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核7例が高鍋(3例)、日向(2例)、延岡・日南(各1例)保健所から報告された。
《延岡保健所》
20歳代の男性で疑似症患者。咳、痰、発熱がみられた。
《日南保健所》
80歳代の女性で疑似症患者。
《高鍋保健所》
- 90歳代の女性で疑似症患者。咳、痰、呼吸困難がみられた。
- 90歳代の女性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
- 80歳代の男性で疑似症患者。咳、痰、発熱、呼吸困難がみられた。
《日向保健所》
- 80歳代の女性で肺結核。発熱、食欲不振がみられた。
- 70歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
報告なし。
- 5類感染症
- アメーバ赤痢1例が宮崎市保健所から報告された。30歳代の男性で腸管アメーバ症。下痢、粘血便がみられた。
- 急性脳炎1例が宮崎市保健所から報告された。1歳の女児で発熱、痙攣、意識障害がみられた。
全国第20週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は18.2で、前週比106%と増加した。今週増加した主な疾患は伝染性紅斑と手足口病で、減少した主な疾患は水痘とRSウイルス感染症であった。
伝染性紅斑の報告数は1,623人(0.53)で、前週比230%と増加した。例年同時期の約1.3倍である。神奈川県・福井県(1.5)、山形県(1.4)、千葉県(1.3)からの報告が多く、年齢別では4歳から7歳までが全体の約半数を占めた。
手足口病の報告数は4,267 人(1.4)で、前週比191%と増加した。例年同時期の約4倍である。愛媛県(10.2)、山口県(6.1)、大分県(4.3)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約8割を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核285例
- 3類感染症
細菌性赤痢6例、腸管出血性大腸菌感染症36例
- 4類感染症
E型肝炎2例、A型肝炎7例、つつが虫病2例、デング熱2例、日本紅斑熱1例、レジオネラ症12例
- 5類感染症
アメーバ赤痢12例、ウイルス性肝炎5例、急性脳炎2例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群25例、ジアルジア症1例、梅毒7例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹2例、麻しん14例
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