
宮崎県感染症発生動向調査2010年第40号(医療機関向け情報)
第12巻第40号[宮崎県第40週(10/4〜10/10)、全国第39週(9/27〜10/3)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第40週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は581人(定点あたり18.2)で、前週比84%と減少した。
前週に比べ多かった主な疾患はなかった。減少した主な疾患は流行性耳下腺炎と水痘であった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は39人(1.1)で前週比103%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点あたり平均値(0.95)と比較すると約1.1倍である。高千穂(8.0)保健所からの報告が多く、年齢別では4歳から8歳で全体の約8割を占めた。
RSウイルス感染症の報告数は126人(3.5)で前週比101%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点あたり平均値(0.8)と比較すると約4.4倍と多い。延岡(11.8)、日向(8.0)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から2歳で全体の約8割を占めた。全て6歳以下の報告であった。
無菌性髄膜炎1人が宮崎市保健所から報告された。患者は9歳の男児で、原因菌はMumps Virus。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核2例が宮崎市保健所から報告された。
- 60歳代の男性で無症状病原体保有者。
- 50歳代の女性で無症状病原体保有者。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
日本紅斑熱1例が日南保健所から報告された。40歳代の女性で発熱、刺し口、発疹、肝機能異常がみられた。
- 5類感染症
破傷風1例が宮崎市保健所から報告された。60歳代の女性で筋肉のこわばり、開口障害、嚥下障害、発語障害がみられた。
病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)
細菌(平成22年9月28日〜10月12日までに分離同定)

- 先週に続き、今週もCampylobacter fetus (以下 C.fetus ) が検出された。 C.fetus 敗血症の患者は約70%が基礎疾患を有し、基礎疾患による免疫不全により易感染状態になると考えられる。また、感染持続期間も比較的長いという報告が多い。
なお、 C.fetus はC.jejuni 、C.coli と異なり、42度では発育しないため、検査を行う際の培養温度に注意する必要がある。
ウイルス(平成22年9月28日〜10月13日までに分離同定)

- 都城保健所管内で、インフルエンザA型の報告があった。本県では今シーズン3例目の報告である。遺伝子検査の結果、インフルエンザAH1pdm(新型)が検出された。
全国第39週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は8.8で、前週比110%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナと咽頭結膜熱であった。
インフルエンザの報告数は284人(0.06)で、前週比150%と増加したが、例年同時期の約1割である。沖縄県(0.57)、長崎県・熊本県(各0.14)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の26%、6-9歳が15%、10-14歳が12%、15-19歳が10%、20歳代-50歳代が29%、60歳以上が8%を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は2,294人(0.76)で、前週比138%と増加した。例年同時期と同数である。北海道・山口県(各1.5)、石川県・鳥取県(各1.3)からの報告が多く、年齢別では3歳から7歳で全体の約6割を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核314例
- 3類感染症
コレラ1例、細菌性赤痢11例、腸管出血性大腸菌感染症95例
- 4類感染症
A型肝炎1例、デング熱9例、レジオネラ症10例、レプトスピラ症1例
- 5類感染症
アメーバ赤痢10例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎5例、後天性免疫不全症候群15例、梅毒9例、風疹1例、麻しん9例
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