
宮崎県感染症発生動向調査2010年第43号(医療機関向け情報)
第12巻第43号[宮崎県第43週(10/25〜10/31)、全国第42週(10/18〜10/24)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第43週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は602人(定点あたり18.7)で、前週とほぼ同じであった。
先週に比べ多かった主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は手足口病と水痘であった。
インフルエンザの報告数は21人(0.36)で前週比263%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(4.4)の約1割と少ない。日向(1.7)、日南(1.0)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の48%、6-9歳が28%、20-50歳が19%、60歳以上が5%を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は52人(1.4)で前週比179%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.2)の約1.2倍である。延岡・高鍋(各2.0)、都城・日向(各1.8)保健所からの報告が多く、年齢別では3歳から8歳で全体の約8割を占めた。
無菌性髄膜炎1人が日南保健所から報告された。患者は7歳の女児。
クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は8歳の男児で、原因菌はChlamydophila peneumoniae。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核4例が宮崎市(2例)、都城・日南(各1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
- 40歳代の女性で無症状病原体保有者。
- 70歳代の女性で肺結核及び頚部リンパ節結核。
《都城保健所》
70歳代の男性で肺結核。
《日南保健所》
80歳代の男性で疑似症患者。食欲不振がみられた。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症1例が都城保健所から報告された。10歳代の男性で軟便が見られた。原因菌の血清型はO115(VT1産生)。
- 4類感染症
レプトスピラ症1例が宮崎市保健所から報告された。20歳代の男性で発熱、筋肉痛、結膜充血、頭痛がみられた。
- 5類感染症
報告なし。
病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)
ウイルス(平成22年10月25日〜平成22年10月31日までに検体採取分)

- 日南保健所、日向保健所、延岡保健所、高鍋保健所管内でインフルエンザA型の報告があった。日南の2例、日向の5例、延岡の3例、高鍋の1例について遺伝子検査を実施した結果、全例からインフルエンザAH3(A香港型)が検出された。このうち日向の3例と延岡の3例は、同一施設での集団発生であった。
全国第42週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は10.1で、前週比114%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は水痘とヘルパンギーナであった。
インフルエンザの報告数は559人(0.12)で、前週比133%と増加したが、例年同時期の約1割である。沖縄県(0.76)、北海道(0.49)、福井県(0.28)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の37%、6歳から9歳が22%、10歳から14歳が6%、15歳から19歳が5%、20歳代から50歳代が26%、60歳以上が4%を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は2,806人(0.93)で、前週比131%と増加した。例年同時期の約9割である。福井県(2.3)、山口県(2.2)、石川県(1.9)からの報告が多く、年齢別では4歳から7歳で全体の約半数を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核325例
- 3類感染症
細菌性赤痢12例、腸管出血性大腸菌感染症62例
- 4類感染症
つつが虫病3例、デング熱3例、日本紅斑熱2例、日本脳炎1例、マラリア1例、レジオネラ症12例、レプトスピラ症2例
- 5類感染症
アメーバ赤痢13例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎1例、クロイツフェルト・ヤコブ病5例、後天性免疫不全症候群19例、ジアルジア症2例、梅毒6例、破傷風1例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹1例、麻しん5例
PDFファイルダウンロード