
宮崎県感染症発生動向調査2011年第2号
第13巻第2号[宮崎県2週(1/10〜1/16、全国1週(1/3〜1/9)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第2週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は2,493人(定点あたり55.6)で、前週比119%と増加した。
前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は水痘と感染性胃腸炎であった。
インフルエンザの報告数は1,421人(24.1)で前週比332%と増加した。延岡(45.3)、都城(36.9)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では5歳以下が全体の28%、6-9歳が23%、10-14歳が20%、15-19歳が5%、20歳代-50歳代が22%、60歳以上が2%を占めた。
感染性胃腸炎の報告数は557人(15.5)で前週比77%と減少した。例年同時期の定点あたり平均値(14.6)の約1.1倍であった。小林(29.7)、日南(27.3)、中央(21.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約4割を占めた。
マイコプラズマ肺炎1人が延岡保健所から報告された。40歳代の女性で原因菌はMycoplasma pneumoniae であった。
感染性胃腸炎の集団発生(平成23年1月10日〜平成23年1月16日)
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核4例が宮崎市(2例)、小林・高鍋(1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
- 80 歳代の男性で肺結核。
- 80歳代の男性で肺結核及びその他の結核(結核性胸膜炎)。発熱がみられた。
《小林保健所》
80 歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱、呼吸困難がみられた。
《高鍋保健所》
80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱、呼吸困難がみられた。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
報告なし。
- 5類感染症
報告なし。
全国第1週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は22.2で、前週比121%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザ、水痘、流行性耳下腺炎で、減少した疾患は手足口病であった。
インフルエンザの報告数は24,841人(5.1)で、前週比220%と増加した。沖縄県(25.9)、福岡県(11.5)、佐賀県(11.4)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の22%、6-9歳が11%、10-14歳が8%、15-19歳が7%、20歳代から50歳代が49%、60歳以上が3%を占めた。
水痘の報告数は9,287人(3.0)で、前週比144%と増加した。大分県(7.8)、福井県・宮崎県(各5.5)からの報告が多く、年齢別では1歳から5歳で全体の約8割を占めた。
流行性耳下腺炎の報告総数は4,306人(1.4)で、前週比146%と増加した。長野県(5.0)、香川県(4.3)、新潟県(3.6)からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳で全体の約6割を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核226例
- 3類感染症
細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症10例、パラチフス1例
- 4類感染症
A型肝炎2例、エキノコックス症1例、コクシジオイデス症1例、つつが虫病11例、デング熱1例、マラリア1 例、レジオネラ症7例
- 5類感染症
アメーバ赤痢4例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎3例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、後天性免疫不全症候群7例、ジアルジア症1例、梅毒4例、破傷風1例、風しん1例、麻しん6例
月報告対象疾患の発生動向 <12月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は41人(3.2)で、前月比89%と減少した。昨年12月(3.9)の約8割であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症
報告数21人(1.6)で、前月の約8割、前年の約6割であった。宮崎市(2.5)、都城・日向(2.0)保健所からの報告が多く、男性10人、女性11人で、20歳代が全体の約6割を占めた。
- 性器ヘルペスウイルス感染症
報告数10人(0.77)で、前月の約1.1倍、前年の約2倍であった。男性3人、女性7人で、30歳代と40歳代が全体の約6割を占めた。
- 尖圭コンジローマ
報告数5人(0.38)で、前月の約1.3倍、前年の約1.7倍であった。男性4人、女性1人で、20歳代が2人、10歳代・30歳代・40歳代が各1人であった。
- 淋菌感染症
報告数5人(0.38)で、前月と同数、前年の約6割であった。すべて男性で、20歳代が2人、10歳代、40歳代、50歳代が各1人であった。

【全国】定点医療機関総数:967
定点医療機関からの報告総数は3,812人(4.0)で、前月比95%であった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,930人(2.0)で前月比91%、性器ヘルペスウイルス感染症704人(0.73)で前月比103%、尖圭コンジローマ373人(0.39)で前月比89%、淋菌感染症805人(0.83)で前月比103%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は25人(3.6)で前月比60%と減少した。また昨年12月(6.7)の約半数であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
報告数19人(2.7)で、前月の約6割、前年の約7割であった。延岡(7.0)、宮崎市・高鍋(各5.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
報告数5人(0.71)で、前月の約6割、前年の約3割であった。宮崎市・高鍋(2.0)保健所からの報告が多く、10歳未満で全体の約6割を占めた。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症
報告数1人(0.14)で宮崎市保健所からの報告であった。患者は70歳以上の女性であった。
【全国】 定点医療機関総数:468
定点医療機関からの報告総数は2,377人(5.1)で、前月比98%であった。疾患別報告数はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,777人(3.8)で前月比94%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症555人(1.2)で前月比118%、薬剤耐性緑膿菌感染症45人(0.10)で前月比91%であった。
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