
宮崎県感染症発生動向調査2011年第3号
第13巻第3号[宮崎県3週(1/17〜1/23)、全国2週(1/10〜1/16)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第3週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は4,845人(定点あたり95.3)で、前週比171%と増加した。
前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は流行性耳下腺炎であった。
インフルエンザの報告数は3,805 人(64.5)で前週比268%と増加した。県全体で警報レベルを超え、延岡(105.9)・都城(78.1)・小林(71.4)保健所からの報告が多かった。年齢別では5歳以下が全体の31%、6-9歳が25%、10-14歳が21%、15-19歳が5%、20-50歳代が17%、60歳以上が1%を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は119人(3.3)で前週比127%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.3)の約1.5倍と多い。延岡(12.0)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では3歳から6歳で全体の約6割を占めた。
マイコプラズマ肺炎1人が延岡保健所から報告された。3ヶ月の女児で原因菌は Mycoplasma pneumoniae。
クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。6歳の女児で原因菌は Chlamydophila pneumoniae。
感染性胃腸炎の集団発生(平成23年1月17日〜平成23年1月23日)
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)
ウイルス(平成23年1月11日〜平成23年1月25日までに分離同定)

- 胃腸炎の乳幼児2例からノロウイルスGII型が検出された。
- インフルエンザの患者からインフルエンザAH1pdm(新型)16例、インフルエンザAH3(A香港型)8例、インフルエンザB型1例が検出された。都道府県別の報告数は、沖縄県、佐賀県、福岡県、宮崎県が多くなっている。
細菌(平成23年1月11日〜平成23年1月25日までに分離同定)

- 前回に引き続き、県北で10代前半の患者から百日咳が検出された。1名はLamp法のみ陽性、2名はLamp法・PCR法・培養の3方法で陽性であった。
患者発生が続いており、今後も、警戒が必要である。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核6例が宮崎市(3例)、都城・日南・高鍋(各1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
- 80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
- 80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
- 60歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
《都城保健所》
80歳代の男性で肺結核。
《日南保健所》
80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱、胸痛がみられた。
《高鍋保健所》
90歳代の女性で疑似症患者。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
報告なし。
- 5類感染症
- ウイルス性肝炎1例が宮崎市保健所から報告された。40歳代の女性でB型。肝機能異常がみられた。
- 急性脳炎1例が延岡保健所から報告された。1歳の男児で病原体はインフルエンザAH1N1pdm。発熱、痙攣がみられた。
全国第2週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は28.7で、前週比129%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した疾患は水痘と咽頭結膜熱であった。
インフルエンザの報告数は59,832人(12.1)で、前週比239%と増加した。沖縄県(55.3)、佐賀県(27.9)、福岡県(24.8)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の25%、6-9歳が15%、10-14歳が12%、15-19歳が7%、20-50歳代が38%、60歳以上が3%を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は4,542人(1.4)で、前週比127%と増加した。例年同時期の約1.2倍である。山形県(4.8)、石川県(4.5)、福井県(3.2)からの報告が多く、年齢別では3歳から7歳で全体の約6割を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核222例
- 3類感染症
細菌性赤痢3例、腸管出血性大腸菌感染症16例
- 4類感染症
A型肝炎2例、つつが虫病7例、デング熱3例、ボツリヌス症1例、レジオネラ症7例
- 5類感染症
アメーバ赤痢6例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎6例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例、後天性免疫不全症候群10例、梅毒7例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、麻しん1例
インフルエンザ情報《県内第3週、全国第2週(再掲)》
県内第3週インフルエンザ発生動向
平成23年1月17日〜1月23日までの1週間で3,805人(定点あたり64.5)の報告があり、前週に比べ約2.7倍と大幅に増加した(図1)。延岡(105.9)・都城(78.1)・小林(71.4)保健所からの報告数が多く(図2)、年齢別では5歳以下が全体の31%、6-9歳が25%、10-14歳が21%、15-19歳が5%、20 -50歳代が17%、60歳以上が1%を占めた(図3)。


全国第2週インフルエンザ発生動向
平成23年1月10日〜1月16日までの1週間で59,832人(12.1)の報告があり、前週比239%と増加した。沖縄県(55.3)、佐賀県(27.9)、福岡県(24.8)、宮崎県(24.1)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の25%、6-9歳が15%、10-14歳が12%、15-19歳が7%、20-50歳代が38%、60歳以上が3%を占めた。
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