
宮崎県感染症発生動向調査2011年第21号
第13巻第21号[宮崎県21週(5/23〜5/29)、全国20週(5/16〜5/22)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第21週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,184人(定点あたり33.6)で、前週比103%とほぼ横ばいであった。
前週に比べ増加した主な疾患は水痘と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はインフルエンザと伝染性紅斑であった。
水痘の報告数は133人(3.7)で前週比132%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(3.5)の約1.1倍である。延岡(9.0)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約6割を占めた。
感染性胃腸炎の報告数は310人(8.6)で前週比117%と増加したが、例年同時期の定点あたり平均値(9.7)の約9割である。小林(23.0)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では1歳から4歳で全体の約半数を占めた。
マイコプラズマ肺炎1人が都城保健所から報告された。患者は8歳の男児で原因菌はMycoplasma pneumoniae であった。
クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は80歳代の女性で原因菌はChlamydia trachomatis であった。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患

※インフルエンザは、平成23年1月27日に流行警報開始基準値30を上回り流行警報を発令しましたが、第21週において県内全ての保健所で終息基準値10を下回ったため、警報を解除します。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核9例が延岡(5例)、宮崎市(4例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
- 80歳代の女性で肺結核。咳、発熱がみられた。
- 40歳代の男性で肺結核。
- 30歳代の男性で無症状病原体保有者。
- 80歳代の男性で肺結核。咳、食欲低下がみられた。
《延岡保健所》
- 70歳代の女性で結核性胸膜炎。咳、痰、発熱、胸痛、呼吸困難、胸水貯留がみられた。
- 60歳代の女性で無症状病原体保有者。
- 60歳代の女性で無症状病原体保有者。
- 10歳代の女子で無症状病原体保有者。
- 60歳代の女性で無症状病原体保有者。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症1例が宮崎市保健所から報告された。2歳の女児で腹痛、水様性下痢がみられた。原因菌はO121(VT産生)。
- 4類感染症
日本紅斑熱1例が日南保健所から報告された。60歳代の男性で発熱、刺し口、発疹、肝機能異常がみられた。
- 5類感染症
報告なし。
全国第20週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は16.8で、前週比97%とほぼ横ばいであった。今週増加した主な疾患は手足口病と伝染性紅斑で、減少した主な疾患は水痘とインフルエンザであった。
手足口病の報告数は2,033人(0.65)で、前週比210%と増加した。宮崎県(3.5)、岡山県(3.2)、香川県・福岡県(各2.9)からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は2,880人(0.92)で、前週比118%と増加した。宮崎県(2.2)、山形県(2.0)、栃木県・静岡県(各1.9)からの報告が多く、年齢別では3歳から7歳で全体の約7割を占めた。
インフルエンザの報告数は7,931人(1.6)で、前週比82%と減少した。沖縄県(16.2)、佐賀県(6.9)、長崎県(5.4)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の24%、6-9歳が31%、10-14歳が25%、15-19歳が6%、20-50歳代が12%、60歳以上が2%を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核306例
- 3類感染症
細菌性赤痢3例、腸管出血性大腸菌感染症64例、腸チフス2例、パラチフス1例
- 4類感染症
E型肝炎1例、A型肝炎2例、つつが虫病8例、デング熱1例、日本紅斑熱1例、マラリア1例、レジオネラ症12例、レプトスピラ症1例
- 5類感染症
アメーバ赤痢10例、ウイルス性肝炎5例、急性脳炎2例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例、後天性免疫不全症候群9例、ジアルジア症1例、髄膜炎菌性髄膜炎1例、梅毒4例、破傷風2例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹13例、麻しん37例
インフルエンザ情報《県内第21週、全国第20週(再掲)》
県内第21週インフルエンザ発生動向
平成23年5月23日〜5月29日までの1週間で211人(定点あたり3.6)の報告があり、前週と比べ72%と減少した(図1-1,2)。都城(9.6)、小林(8.0)、中央(6.0)保健所からの報告が多かった(図2)。年齢別では5歳以下が全体の28%、6-9歳が39%、10-14歳が22%、15-19歳が2%、20歳以上が9%を占めた(図3)。
また、第21週において県内全ての保健所で終息基準値(10)を下回ったため警報は解除されました。

全国第20週インフルエンザ発生動向
平成23年5月16日〜5月22日までの1週間で7,931人(1.6)の報告があった。前週の82%と減少した。沖縄県(16.2)、佐賀県(6.9)、長崎県(5.4)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の24%、6-9歳が31%、10-14歳が25%、15-19歳が6%、20-50歳代が12%、60歳以上が2%を占めた。
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