
宮崎県感染症発生動向調査2011年第23号
第13巻第23号[宮崎県23週(6/6〜6/12)、全国22週(5/30〜6/5)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第23週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,067人(定点あたり31.4)で、前週比94%と減少した。
前週に比べ増加した主な疾患は水痘と咽頭結膜熱で、減少した主な疾患はインフルエンザと流行性耳下腺炎であった。
水痘の報告数は150人(4.2)で前週比126%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(3.2)の約1.3倍である。小林(13.0)、延岡(9.5)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では6ヶ月から3歳で全体の約8割を占めた。
咽頭結膜熱の報告数は35人(0.97)で前週比117%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.78)の約1.2倍である。延岡(2.0)、高鍋(1.8)、都城(1.5)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から4歳で全体の約8割を占めた。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核7例宮崎市(5例)、都城(2例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
- 70歳代の男性で結核性胸膜炎。呼吸困難がみられた。
- 60歳代の女性で無症状病原体保有者。
- 60歳代の男性で無症状病原体保有者。
- 60歳代の男性で無症状病原体保有者。
- 50歳代の男性で無症状病原体保有者。
《都城保健所》
- 60歳代の女性で疑似症患者。咳、痰、発熱がみられた。
- 80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症1例が宮崎市保健所から報告された。20歳代の女性で無症状病原体保有者。原因菌はO157(VT1、VT2産生)。
- 4類感染症
チクングニア熱1例が宮崎市保健所から報告された。20歳代の女性で発熱、関節痛、発疹、全身倦怠感、頭痛がみられた。海外での感染であった。
- 5類感染症
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例が宮崎市保健所から報告された。50歳代の女性でショック、急性呼吸窮迫症候群、DIC、全身性紅斑性発疹、中枢神経症状がみられた。
- 梅毒1例が都城保健所から報告された。30歳代の女性で無症状病原体保有者。
全国第22週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は16.9で、前週比102%とほぼ横ばいであった。今週増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザと水痘であった。
手足口病の報告数は3,435人(1.1)で、前週比167%と増加した。福岡県(5.1)、香川県(5.0)、岡山県・佐賀県(各4.8)からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。
ヘルパンギーナの報告数は1,121人(0.36)で、前週比164%と増加した。鹿児島県(2.9)、香川県(2.2)、鳥取県(1.6)からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核379例
- 3類感染症
細菌性赤痢2例、腸管出血性大腸菌感染症38例、腸チフス2例
- 4類感染症
E型肝炎2例、A型肝炎1例、チクングニア熱1例、つつが虫病12例、デング熱1例、日本紅斑熱3例、レジオネラ症14例
- 5類感染症
アメーバ赤痢9例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎2例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例、後天性免疫不全症候群19例、ジアルジア症1例、先天性風疹症候群1例、梅毒12例、風疹10例、麻しん13例
月報告対象疾患の発生動向 <5月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は43人(3.3)で、前月比98%とほぼ横ばいであった。また、昨年5月(4.1)の約8割であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症
報告数24人(1.9)で、前月の約9割、前年とほぼ同数であった。延岡・日向(各4.0)、都城(3.0)保健所からの報告が多く、男性15人・女性9人で、20歳代が全体の約6割を占めた。
- 性器ヘルペスウイルス感染症
報告数9人(0.69)で、前月の約1.1倍、前年の約6割であった。男性1人・女性8人で、20歳代が全体の約3割を占めた。
- 尖圭コンジローマ
報告数1人(0.08)で、前月の約3割、前年の約2割であった。30歳代の女性であった。
- 淋菌感染症
報告数9人(0.69)で、前月の約1.5倍、前年の約8割であった。全て男性で、20歳代が全体の約6割を占めた。

【全国】定点医療機関総数:963
定点医療機関からの報告総数は3,950人(4.1)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,029人(2.1)で前月比104%、性器ヘルペスウイルス感染症690人(0.72)で前月比109%、尖圭コンジローマ433人(0.45)で前月比96%、淋菌感染症798人(0.83)で前月比104%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は38人(5.4)で前月比72%と減少した。また昨年5月(5.9)の93%であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
報告数29人(4.1)で、前月の約8割、前年の約1.2倍であった。延岡(11.0)、宮崎市・都城・高鍋(各5.0)、保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約6割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
報告数9人(1.3)で、前月・前年の約6割であった。宮崎市(4.0)、高鍋(3.0)保健所からの報告が多く、10歳未満が全体の約8割を占めた。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症
報告はなかった。
- 薬剤耐性アシネトバクター感染症
報告はなかった。
【全国】 定点医療機関総数:468
定点医療機関からの報告総数は2,505人(5.4)で、前月比110%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,977人(4.2)で前月比107%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症491人(1.1)で前月比119%、薬剤耐性緑膿菌感染症36人(0.08)で前月比133%、薬剤耐性アシネトバクター感染症1人(0.0)であった。
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