
宮崎県感染症発生動向調査2011年第27号
第13巻第27号[宮崎県27週(7/4〜7/10)、全国26週(6/27〜7/3)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第27週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,532人(定点あたり46.4)で、前週比113%と増加した。
前週に比べ増加した主な疾患はヘルパンギーナと手足口病で、減少した主な疾患は水痘であった。
ヘルパンギーナの報告数は391人(10.9)で前週比166%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(4.9)の約2.2倍である。県全体で警報レベルを超えており、小林(22.0)、日南(19.3)、都城(10.8)保健所からの報告が多かった。年齢別では6ヶ月から3歳で全体の約8割を占めた。
手足口病の報告数は502人(13.9)で前週比109%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(4.6)の約3倍である。県全体で警報レベルを超えており、小林・中央(各22.0)、延岡(21.8)、日向(18.0)保健所からの報告が多かった。年齢別では1歳から4歳で全体の約8割を占めた。
マイコプラズマ肺炎1人が延岡保健所から報告された。患者は5歳の男児で原因菌はMycoplasma pneumonia であった。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
疾患別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核7例が宮崎市(4例)、日南(2例)、延岡(1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
- 80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱、呼吸困難がみられた。
- 20歳代の女性で無症状病原体保有者。
- 50歳代の男性で肺結核。
- 60歳代の女性で無症状病原体保有者。
《延岡保健所》
50歳代の女性で無症状病原体保有者。
《日南保健所》
- 50歳代の男性で無症状病原体保有者。
- 40歳代の男性で無症状病原体保有者。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症6例が都城保健所から報告された。
- 1歳の男児で水様性下痢がみられた。原因菌はO26(VT1、VT2産生)。
- 3歳の女児で無症状病原体保有者。原因菌はO26 (VT1、VT2産生)。
- 20歳代の男性で無症状病原体保有者。原因菌はO26(VT1、VT2産生)。
- 11ヶ月の女児で水様性下痢がみられた。原因菌はO26(VT1、VT2産生)。
- 10ヶ月の女児で水様性下痢がみられた。原因菌はO26(VT産生)。
- 4歳の男児で無症状病原体保有者。原因菌はO26 (VT1、VT2産生)。
- 4類感染症
日本紅斑熱1例が都城保健所から報告された。60歳代の男性で発熱、頭痛、刺し口、発疹、肝機能異常、筋肉痛がみられた。
- 5類感染症
- 急性脳炎2例が宮崎市保健所から報告された。
- 2ヶ月の男児で発熱、痙攣、意識障害がみられた。
- 2ヶ月の女児で発熱、痙攣、意識障害がみられた。
- 破傷風1例が宮崎市保健所から報告された。70歳代の男性で筋肉のこわばり、開口障害、嚥下障害、発語障害、痙笑、反弓緊張がみられた。
- 26週追加分
腸管出血性大腸菌感染症8例が日南保健所から報告された。全て無症状病原体保有者で、原因菌はO26(VT1産生)。
全国第26週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は22.4で、前週比111%と増加した。今週増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザと伝染性紅斑であった。
手足口病の報告数は22,506人(7.2)で、前週比168%と増加した。佐賀県(38.4)、福岡県(31.6)、愛媛県(27.2)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約8割を占めた。
ヘルパンギーナの報告数は6,973人(2.2)で、前週比160%と増加した。徳島県・鹿児島県(各8.8)、宮崎県(6.6)、香川県(5.9)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約7割を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核379例
- 3類感染症
細菌性赤痢3例、腸管出血性大腸菌感染症63例、腸チフス1例
- 4類感染症
E型肝炎1例、A型肝炎1例、つつが虫病4例、日本紅斑熱8例、レジオネラ症20例
- 5類感染症
アメーバ赤痢8例、ウイルス性肝炎4例、急性脳炎1例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例、後天性免疫不全症候群13例、ジアルジア症1例、髄膜炎菌性髄膜炎1例、梅毒9例、破傷風1例、風疹6例、麻しん13例
PDFファイルダウンロード