
宮崎県感染症発生動向調査2011年第38号
第13巻第38号[宮崎県38週(9/19〜9/25)、全国37週(9/12〜9/18)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第37週の発生動向
定点医療機関からの報告総数は509人(定点あたり15.2)で、前週比75%と減少した。
前週に比べ増加した疾患は流行性角結膜炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症、伝染性紅斑、流行性耳下腺炎であった。
RSウイルス感染症の報告数は95人(2.6)で前週比59%と減少したが、例年同時期の定点あたり平均値(0.84)の約3倍である。日向(8.3)・都城(4.0)保健所からの報告が多く、年齢別では2歳以下で全体の約9割を占めた。
マイコプラズマ肺炎1人が都城保健所から報告された。4歳の女児で病原体はMycoplasma pneumoniae であった。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
疾患別流行警報開始基準値超過疾患

※手足口病は、平成23年6月30日に流行警報開始基準値5を上回ったので流行警報を発令しましたが、第38週において終息基準値2を下回った(1.8)ので、警報を解除します。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核2例が日南・日向(各1例)保健所から報告された。
《日南保健所》
70歳代の女性で肺結核。
《日向保健所》
90歳代の男性で肺結核(37週分)。咳、痰、発熱がみられた。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
レプトスピラ症2例が宮崎市保健所から報告された。
- 50歳代の男性で発熱、筋肉痛、結膜充血、黄疸、出血症状、蛋白尿、腎不全、悪心、嘔吐がみられた。発症前に川の清掃作業あり。
- 70歳代の男性で発熱、黄疸、出血症状、発しんがみられた(36週分)。
- 5類感染症
破傷風1例が宮崎市保健所から報告された。80歳代の男性で筋肉のこわばり、開口障害、嚥下障害、強直性痙攣がみられた。
全数把握対象疾患累積報告数(2011年第1週〜38週)

( )内は今週届出分、再掲
動物感染症累積報告数(2011年第1週〜38周)(参考)
病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)
細菌(平成23年9月13日〜平成23年9月26日までに検出)
ウイルス(平成23年9月13日〜平成23年9月26日までに検出)

- けいれん重積発作と診断された小児の便および無菌性髄膜炎と診断された新生児の便・咽頭ぬぐい液からコクサッキーウイルスB1型が分離された。全国でのコクサッキーウイルスB1型の検出数は、2007〜2009年で約10〜30件であったが、昨年は132件と多く、本年も9月27日までに96件報告されている。
全国第37週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は13.3で、前週比92%と減少した。今週増加した主な疾患はRSウイルス感染症とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。
RSウイルス感染症の報告数は1,414人で、前週比107%と増加した。大阪府(205人)、宮崎県(160人)、東京都(126人)からの報告が多く、年齢別では2歳以下が全体の約9割を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は2,232人(0.72)で、前週比107%と増加した。北海道(1.5)、福井県(1.4)、富山県・山口県(各1.3)からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳で全体の約半数を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核364例
- 3類感染症
コレラ1例、細菌性赤痢13例、腸管出血性大腸菌感染症81例
- 4類感染症
E型肝炎1例、A型肝炎1例、日本紅斑熱2例、日本脳炎1例、マラリア1例、レジオネラ症22例
- 5類感染症
アメーバ赤痢10例、ウイルス性肝炎1例、急性脳炎1例、クロイツフェルト・ヤコブ病3例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、後天性免疫不全症候群14例、ジアルジア症1例、梅毒9例、破傷風2例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風しん2例、麻しん3例
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