
宮崎県感染症発生動向調査2011年第49号
第13巻第49号[宮崎県49週(12/5〜12/11)、全国48週(11/28〜12/4)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第49週の発生動向
定点医療機関からの報告総数は957人(定点あたり27.9)で、前週比120%と増加した。
前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎と水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。
感染性胃腸炎の報告数は500人(13.9)で前週比126%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(17.4)の約8割である。宮崎市(19.2)・高鍋(19.0)・日南(18.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約4割を占めた。
水痘の報告数は119人(3.3)で前週比119%と増加した。4週連続で増加している。例年同時期の定点あたり平均値(3.0)の約1.1倍である。中央(7.0)・延岡(5.8)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。
マイコプラズマ肺炎3人が都城・延岡・高鍋保健所から報告された。患者は3歳、14歳、80歳代で病原体はMycoplasma pneumoniae であった。
疾患別流行警報開始基準値超過疾患
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核3例が高鍋(2例)、宮崎市(1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
90歳代の女性で肺結核。
《高鍋保健所》
- 60歳代の男性でその他の結核(結核性胸膜炎)。咳がみられた。
- 80歳代の女性で肺結核。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
つつが虫病6例が都城・小林(各2例)、宮崎市・日南(各1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
70歳代の男性で発熱、刺し口、発しんがみられた。
《都城保健所》
- 50歳代の女性で頭痛、発熱、刺し口、リンパ節腫脹、発しんがみられた。
- 50歳代の男性で頭痛、発熱、刺し口、発しん、関節痛、強い倦怠感がみられた。
《日南保健所》
50歳代の男性で発熱、刺し口、発しんがみられた。
《小林保健所》
- 50歳代の女性で発熱、刺し口、発しんがみられた。
- 60歳代の女性で頭痛、発熱、刺し口、リンパ節腫脹、発しんがみられた。
- 5類感染症
報告なし。
全数把握対象疾患累積報告数(2011年第1週〜49週)

( )内は今週届出分、再掲
動物感染症累積報告数(2011年第1週〜49週)(参考)
全国第48週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は17.6で、前週比122%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザ、感染性胃腸炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は手足口病であった。
インフルエンザの報告数は2,781人(0.57)で、前週比197%と増加した。宮城県(4.1)、三重県(2.9)、愛知県(2.3)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の35%、6歳から9歳が27%、10歳から14歳が15%、15歳から19歳が3%、20歳以上が20%を占めた。
感染性胃腸炎の報告数は22,064人(7.0)で、前週比138%と増加した。香川県(12.7)、島根県(12.3)、山口県(11.7)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約半数を占めた。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は6,508人(2.1)で、前週比124%と増加した。大分県(4.4)、北海道(4.0)、富山県(3.9)からの報告が多く、年齢別では4歳から7歳で全体の約半数を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核392例
- 3類感染症
細菌性赤痢6例、腸管出血性大腸菌感染症30例、腸チフス1例、パラチフス1例
- 4類感染症
A型肝炎2例、つつが虫病26例、デング熱2例、日本紅斑熱6例、ブルセラ症1例、レジオネラ症17例
- 5類感染症
アメーバ赤痢4例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎5例、クロイツフェルト・ヤコブ病3例、後天性免疫不全症候群8例、ジアルジア症1例、髄膜炎菌性髄膜炎2例、梅毒12例、破傷風2例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例、風しん2例、麻しん2例
月報告対象疾患の発生動向 <11月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は38人(2.9)で、前月比68%と減少した。また、昨年11月(3.5)の約8割であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症
報告数24人(1.9)で、前月の約7割、前年の約9割であった。宮崎市(3.8)、延岡・日向(各2.0)保健所からの報告が多く、男性14人・女性10人で、30歳代が全体の約半数を占めた。
- 性器ヘルペスウイルス感染症
報告数4人(0.31)で、前月と同数、前年の約4割であった。すべて女性で、30歳代が3人、40歳代が1人であった。
- 尖圭コンジローマ
報告数3人(0.23)で、前月及び前年の約8割であった。男性1人・女性2人で、20歳代・60歳代・70歳以上が各1人であった。
- 淋菌感染症
報告数7人(0.54)で、前月の約半数、前年の約1.4倍であった。男性6人・女性1人で、10歳代・20歳代・30歳代が各2人、50歳代が1人であった。

【全国】定点医療機関総数:964
定点医療機関からの報告総数は3,916人(4.1)で、前月比91%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,996人(2.1)で前月比88%、性器ヘルペスウイルス感染症690人(0.72)で前月比99%、尖圭コンジローマ397人(0.41)で前月比93%、淋菌感染症833人(0.86)で前月比94%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は33人(4.7)で前月比87%と減少した。また、昨年11月(6.0)の約8割であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
報告数29人(4.1)で、前月の約8割、前年の約9割であった。宮崎市・日南(各8.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約6割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
報告数2人(0.29)で、前月の約2倍、前年の約2割であった。宮崎市・延岡(各1.0)保健所からの報告で、0歳と40歳代であった。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症
報告数は2人(0.29)で前月の約2倍であった。延岡(2.0)保健所からの報告で、60歳代と70歳以上であった。
- 薬剤耐性アシネトバクター感染症
報告はなかった。
【全国】 定点医療機関総数:465
定点医療機関からの報告総数は2,377人(5.1)で、前月比99%とほぼ同程度であった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,929人(4.2)で前月比96%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症412人(0.89)で前月比117%、薬剤耐性緑膿菌感染症32人(0.07)で前月比64%、薬剤耐性アシネトバクター感染症4人(0.01)であった。
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