
宮崎県感染症発生動向調査2011年第50号
第13巻第50号[宮崎県50週(12/12〜12/18)、全国49週(12/5〜12/11)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第50週の発生動向
定点医療機関からの報告総数は1,064人(定点あたり30.8)で、前週比110%と増加した。
前週に比べ増加した疾患は流行性耳下腺炎と水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。
流行性耳下腺炎の報告数は105人(2.9)で前週比135%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.4)の約2倍である。日南(14.7)・高千穂(4.0)保健所からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。
水痘の報告数は154人(4.3)で前週比129%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(3.4)の約1.3倍である。延岡(12.0)・都城(6.5)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から4歳が全体の約8割を占めた。
マイコプラズマ肺炎3人が都城保健所から報告された。患者は7歳、10歳、11歳であった。
疾患別流行警報開始基準値超過疾患

※水痘が流行注意報レベル(4.0)を超えました。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核4例が宮崎市(3例)、都城(1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
- 70歳代の男性で無症状病原体保有者。
- 90歳代の女性で肺結核。咳、痰がみられた。
- 90歳代の女性で肺結核。咳、痰がみられた。
《高鍋保健所》
60歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
- 3類感染症
腸管出血性大腸菌感染症1例が宮崎市保健所から報告された。20歳代の女性で無症状病原体保有者。原因菌のO血清型は不明(VT2産生)。
- 4類感染症
- レプトスピラ症1例が宮崎市保健所から報告された。60歳代の男性で発熱、結膜充血、黄疸、腎不全、意識障害がみられた。 側溝の清掃作業あり。
- つつが虫病4例が小林(2例)、宮崎市・都城(各1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
70歳代の男性で発熱、刺し口、発しんがみられた。
《都城保健所》
50歳代の男性で頭痛、発熱、刺し口、発しんがみられた。
《小林保健所》
- 30歳代の男性で頭痛、発熱、刺し口、発しんがみられた。
- 60歳代の男性で頭痛、発熱、刺し口、発しんがみられた。
- 5類感染症
破傷風1例が都城保健所から報告された。70歳代の男性で筋肉のこわばり、開口障害、嚥下障害、痙笑がみられた。転倒にて左肘部を挫傷。
全数把握対象疾患累積報告数(2011年第1週〜50週)

( )内は今週届出分、再掲
動物感染症累積報告数(2011年第1週〜50週)(参考)
病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)
細菌
ウイルス(平成23年12月6日〜平成23年12月19日までに検出)

- 無菌性髄膜炎の乳児の便から、エコーウイルス9型が分離された。
- インフルエンザA型と診断された成人からインフルエンザAH3型が検出された。本シーズンの全国的なインフルエンザの流行状況は、12月20日現在でAH3型が優勢で、B型も検出されている。一方、2009年〜2010年に猛威をふるったAH1N1pdm09型の検出報告はほとんどない。
全国第49週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は20.6で、前週比117%と横ばいであった。今週増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は流行性耳下腺炎であった。
インフルエンザの報告数は5,447人(1.1)で、前週比195%と増加した。宮城県(10.3)、愛知県・三重県(各5.3)、岡山県(4.0)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の33%、6歳から9歳が31%、10歳から14歳が18%、15歳から19歳が2%、20歳以上が16%を占めた。
感染性胃腸炎の報告数は28,125人(9.0)で、前週比127%と増加した。島根県(14.9)、東京都(14.6)、山形県(14.3)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約半数を占めた。
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核397例
- 3類感染症
細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症23例
- 4類感染症
A型肝炎1例、つつが虫病24例、デング熱2例、日本紅斑熱1例、マラリア1例、レジオネラ症9例
- 5類感染症
アメーバ赤痢9例、ウイルス性肝炎1例、急性脳炎4例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、後天性免疫不全症候群16例、ジアルジア症2例、梅毒8例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例、風しん6例、麻しん3例
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