
宮崎県感染症発生動向調査2010年第52号・2011年第1号
第12巻第52号[宮崎県内52週(12/27〜1/2)、全国51週(12/20〜12/26)]
第13巻第1号[宮崎県内1週(1/3〜1/9)、全国52週(12/27〜1/2)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県平成22年第52週、平成23年第1週の発生動向

【52週】
定点からの報告総数は1,439人(定点あたり41.1)で前週比74%と減少した。この減少は、年末年始等で定点医療機関が休診だったためと思われる。
52週に増加した主な疾患は咽頭結膜熱であった。
【1週】
定点からの報告総数は1,763人(定点あたり46.7)で前週比113%と増加した。
今週増加した疾患はインフルエンザと水痘であった。
インフルエンザの報告数は428人(7.3)で前週比261%と増加した。都城(16.9)、延岡(10.4)、小林(7.8)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の26%、6歳から9歳が14%、10歳から14歳が10%、15歳から19歳が8%、20歳代から50歳代が41%、60歳以上が1%を占めた。
水痘の報告数は198人(5.5)で前週比146%と増加した。都城(9.7)、宮崎市(7.8)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では1歳から4歳で全体の8割を占めた。
マイコプラズマ肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は9歳の女児で原因菌はMycoplasma pneumoniae。
クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は9歳の女児で原因菌はChlamydophila peneumoniae。
感染性胃腸炎の集団発生(平成22年12月27日〜平成23年1月2日)
感染性胃腸炎の集団発生(平成23年1月3日〜平成23年1月9日)
保健所別流行警報開始基準値超過疾患
【52週】

【1週】

全数把握対象疾患
【52週】
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核2例が宮崎市、都城(各1例)保健所から報告された。
《宮崎市保健所》
80歳代の男性で肺結核。咳、痰がみられた。
《都城保健所》
80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱、呼吸困難がみられた。
- 3類感染症
報告なし
- 4類感染症
つつが虫病1例が宮崎市保健所から報告された。60歳代の男性で発熱、発疹がみられた。IgM抗体検出。
- 5類感染症
報告なし。
【1週】
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核2例が都城・延岡(各1例)保健所から報告された。
《都城保健所》
80歳代の男性で肺結核。痰がみられた。
《延岡保健所》
80歳代の女性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
つつが虫病1例が宮崎市保健所から報告された。10歳代の男子で発熱、刺し口、リンパ節腫脹、発疹がみられた。
- 5類感染症
報告なし。
病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)
ウイルス(平成22年12月21日〜平成23年1月11日までに分離同定)

- 胃腸炎の児童と幼児、計5例からノロウイルスGII型が検出された。感染性胃腸炎の定点あたり報告数は減少してきてはいるものの、依然として警報レベルを上回っている。
- インフルエンザの患者からインフルエンザAH1pdm(新型)とインフルエンザAH3(A香港型)が検出された。12月から新型の検出数がA型を上回っている。
細菌(平成22年12月21日〜平成23年1月11日までに分離同定)

- 県北で10代前半の患者から百日咳菌が検出されている。衛生環境研究所では培養に加えPCR法およびLamp法を実施している。その中でもLamp法は感度と特異性に優れているが、検査キットが市販されていないことに加え、臨床材料から遺伝子を抽出する作業が必要なため、通常の検査施設では実施が難しい。なお、これまでの成績ではLamp法での検出率を100%とした場合、PCR法が70%程度、培養で50%程度の検出率となっている。
全国平成22年第51週、52週の発生動向
【51週】
定点医療機関あたりの患者報告総数は29.3で、前週比94%と減少した。51週に増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患はとヘルパンギーナと感染性胃腸炎であった。
【52週】
定点医療機関あたりの患者報告総数は18.4で、前週比63%と減少した。52週に増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎であった。
インフルエンザの報告数は 10,851人(2.3)で前週比112%と増加した。地域別では沖縄県(9.2)、佐賀県(8.2)、長崎県(6.3)からの報告が多かった。年齢別では5歳以下が全体の23%、6歳から9歳が15%、10歳から14歳が10%、15歳から19歳が6%、20歳代から50歳代が43%、60歳以上が3%を占めた。
全数把握対象疾患
【51週】
- 1類感染症
報告なし
- 2類感染症
結核362例
- 3類感染症
細菌性赤痢5例、 腸管出血性大腸菌感染症12例、腸チフス1例
- 4類感染症
E型肝炎2例、A型肝炎2例、オウム病1例、つつが虫病20例、デング熱2例、日本紅斑熱1例、マラリア1例、レジオネラ症15例
- 5類感染症
アメーバ赤痢10例、ウイルス性肝炎1例、急性脳炎2例、クロイツフェルト・ヤコブ病2例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群38例、ジアルジア症2例、梅毒9例、破傷風3例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症3例、麻しん9例
【52週】
- 1類感染症
報告なし
- 2類感染症
結核243例
- 3類感染症
細菌性赤痢3例、腸管出血性大腸菌感染症9例
- 4類感染症
E型肝炎1例、つつが虫病6例、デング熱2例、レジオネラ症6例
- 5類感染症
アメーバ赤痢8例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎2例、クロイツフェルト・ヤコブ病3例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群12例、梅毒3例、破傷風1例、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症1例、風疹2例、麻しん6例
PDFファイルダウンロード