
宮崎県感染症発生動向調査2012年第2号
第14巻第2号[宮崎県2週(1/9〜1/15)、全国1週(1/2〜1/8)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第2週の発生動向
定点医療機関からの報告総数は1,452人(定点あたり40.2)で、前週比142%と増加した。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は流行性耳下腺炎であった。
【インフルエンザ】
- 報告数は341人(5.9)で前週比434%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(15.1)の約4割である。中央(10.0)・日南(8.6)保健所からの報告が多く、年齢分布を[図]に示す。
【感染性胃腸炎】
- 報告数は698人(19.9)で前週比139%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(15.5)の約1.3倍である。小林(46.0)・日南(26.7)・延岡(26.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約4割を占めた。
【基幹定点からの報告】
- 無菌性髄膜炎
宮崎市保健所から1人報告された。患者は12歳で、病原体はMycoplasma pneumoniae であった。
- マイコプラズマ肺炎
高鍋(2人)・宮崎市(1人)保健所から報告された。患者は5歳、12歳、17歳で、病原体はMycoplasma pneumoniae であった。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患

※流行警報開始基準値:感染性胃腸炎20.0、水痘7.0、流行性耳下腺炎6.0
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核4例。
- 3類感染症
報告なし。
- 4類感染症
つつが虫病1例。
- 5類感染症
急性脳炎1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2012年第1週〜2週)

( )内は今週届出分、再掲
全国第1週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は18.9で、前週比85%と減少した。今週増加した主な疾患は流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎であった。
流行性耳下腺炎の報告数は2,202人(0.71)で、前週比122%と増加した。宮崎県(2.5)、新潟県(2.1)、鳥取県(2.0)からの報告が多く、年齢別では3歳から7歳で全体の約7割を占めた。
全数把握対象疾患
月報告対象疾患の発生動向 <12月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は40人(3.1)で、前月比105%と増加した。また、昨年12月(3.2)と同程度であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症
報告数23人(1.8)で、前月と同程度、前年の約1.1倍であった。延岡(3.5)、日向(3.0)保健所からの報告が多く、男性12人・女性11人で、20歳代・30歳代が全体のそれぞれ約4割を占めた。
- 性器ヘルペスウイルス感染症
報告数5人(0.38)で、前月の約1.3倍、前年の約半数であった。男性1人・女性4人で、10歳代・20歳代・30歳代・50歳代・70歳以上が各1人であった。
- 尖圭コンジローマ
報告数2人(0.15)で、前月の約7割、前年の約4割であった。すべて男性で、50歳代と60歳代であった。
- 淋菌感染症
報告数10人(0.77)で、前月の約1.4倍、前年の約2倍であった。男性9人・女性1人で、20歳代と40歳代がそれぞれ全体の約3割を占めた。

【全国】定点医療機関総数:962
定点医療機関からの報告総数は3,830人(4.0)で、前月比98%と横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,958人(2.0)で前月比99%、性器ヘルペスウイルス感染症664人(0.69)で前月比96%、尖圭コンジローマ391人(0.41)で前月比100%、淋菌感染症817人(0.85)で前月比99%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は29人(4.1)で前月比88%と減少した。また、昨年12月(3.6)の約1.2倍であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
報告数25人(3.6)で、前月の約9割、前年の約1.3倍であった。宮崎市(7.0)、小林(6.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約6割、60歳代が約2割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
報告数3人(0.43)で、前月の約1.5倍、前年の約6割であった。宮崎市(2.0)、高鍋(1.0)保健所からの報告で、5歳未満が2人と50歳代が1人であった。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症
報告数1人(0.14)で、前月の半数であった。延岡保健所からの報告で70歳以上であった。
- 薬剤耐性アシネトバクター感染症
報告はなかった。
【全国】 定点医療機関総数:463
定点医療機関からの報告総数は2,295人(5.0)で、前月比97%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,850人(4.0)で前月比96%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症409人(0.88)で前月比99%、薬剤耐性緑膿菌感染症34人(0.07)で前月比100%、薬剤耐性アシネトバクター感染症2人であった。
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