
宮崎県感染症発生動向調査2012年第9号
第14巻第9号[宮崎県9週(2/27〜3/4)、全国8週(2/20〜2/26)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所
宮崎県第9週の発生動向
定点医療機関からの報告総数は1,926人(定点あたり40.7)で、前週比73%と減少した。
インフルエンザ・小児科定点からの報告
前週に比べ大きく増加した疾患はなく、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎であった。
【インフルエンザ】
- 報告数は1,292人(21.9)で前週比64%と減少した。例年同時期の定点あたり平均値(15.9)の約1.4倍である。延岡(32.6)・中央(31.0)保健所からの報告が多い。年齢分布を(図)に示す。
【基幹定点からの報告】
- マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎:都城(1人)保健所から報告された。患者は7歳で、病原体はMycoplasma pneumoniae であった。
保健所別流行警報開始基準値超過疾患

流行警報開始基準値:インフルエンザ(30.0)、水痘(7.0)
全数把握対象疾患
- 1類感染症
報告なし。
- 2類感染症
結核7例。
- 3類感染症・4類感染症・5類感染症 : 報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2012年第1週〜9週)

( )内は今週届出分、再掲
病原体情報(衛生環境研究所微生物部)
細菌
ウイルス(平成24年2月21日〜3月5日までに検出)

- 急性脳症と診断された小児の便からアデノウイルス5型が分離された。また、この患者の咽頭ぬぐい液からは、PCRにてインフルエンザAH3型が検出された(2/6)。
- インフルエンザA型と診断された成人19名と小児18名からインフルエンザウイルスAH3型が分離された。これらの分離株はいずれも力価が低く、ワクチン株との抗原性の比較(HI試験)を実施することができなかった。力価の低いAH3型分離株は他県でもみられている。また、一部はワクチン株に対して反応性が低下しており、抗原性の変化が推測されるとの報告もある。
- インフルエンザB型と診断された小児1名からインフルエンザウイルスB型が分離された。この分離株は、HI試験でワクチン株に対し2倍の差がみられた。HI試験では、ワクチン株に対し8倍以上の差がある場合に変異株であることが推測され、ワクチンの接種効果が期待できないが、この分離株はワクチン株との差は8倍以内であったため、変異株とは考えられない。
全国第8週の発生動向
定点医療機関あたりの患者報告総数は43.4で、前週比86%と減少した。今週大きく増加した主な疾患はなく、減少した主な疾患はインフルエンザであった。
インフルエンザの報告数は143,267人(29.0)で、前週比82%と減少した。埼玉県(45.3)、秋田県(44.2)、大分県(41.4)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の31%、6歳から9歳が29%、10歳から14歳が17%、15歳から19歳が3%、20歳から59歳が16%、60歳以上が4%を占めた。
全数把握対象疾患
インフルエンザ情報《県内第9週、全国第8週(再掲)》
県内9週インフルエンザ発生動向
平成24年2月27日〜3月4日までの1週間で1,292人(定点あたり21.9)の報告があり、前週の約6割に減少した(図1)。延岡(32.6)・中央(31.0)保健所からの報告が多い(図2)。年齢分布を(図3)に示す。




全国第8週インフルエンザ発生動向
平成24年2月20日〜2月26日までの1週間で143,267人(29.0)の報告があり、前週比82%と減少した。埼玉県(45.3)、秋田県(44.2)、大分県(41.4)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の31%、6歳から9歳が29%、10歳から14歳が17%、15歳から19歳が3%、20歳から59歳が16%、60歳以上が4%を占めた。
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